IMSA:マツダチーム・ヨースト、提携後初のデイトナへ。「好位置を争える」とジャービス
2017年7月18日、長年に渡ってタッグを組んできたスピードソースとの提携を解消し、耐久レースの“名門”ヨースト・レーシングとのパートナーシップ締結を発表したマツダ・モータースポーツ。『マツダチーム・ヨースト』として誕生した新チームは1月25日に開幕するIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)第1戦デイトナ24時間レースに挑む。
スポーツカーレースの頂点として“世界三大レース”のひとつにも数えられる伝統のル・マン24時間レースを制したマツダとヨーストというふたつのブランドは、かつてデイトナでも優勝を目指して競い合っていたが、2018年、両者は史上初めてパートナーとして同じテントの中からデイトナの総合優勝を目指すこととなった。
マツダファンのみならず、世界中のスポーツカーレースファンから注目を集めるマツダチーム・ヨーストは昨年の提携発表後、マツダのDPiマシン『マツダRT24-P DPi』のパフォーマンス向上を目指しクルマの再設計ならびに開発テストを行なうため、終盤の3戦を残して2017シーズンから退き、2018年シーズンに向けた準備を進めてきた。
そうして完成した2018年型『マツダRT24-P DPi』は見た目こそ2017年モデルと大きな変更はないものの、事実上まったく新しいクルマとなっているという。
新型マシンの開発を行うなか、チームは11月末に刷新したドライバーラインアップを発表。引き続き55号車マツダを駆ることになるジョナサン・ボマリートのチームメイトにWEC世界耐久選手権でフォードGTをドライブするハリー・ティンクネルを迎えたほか、同じく継続参戦となった70号車マツダのトリスタン・ヌネスのパートナーには元アウディLMP1ドライバーのオリバー・ジャービスが加わっている。
また、デイトナやセブリング12時間などの耐久レースでは第3ドライバーとしてインディカードライバーのスペンサー・ピゴットと、アウディ・ワークスドライバーのレネ・ラストを起用するとし、ピゴットが55号車マツダ、ラストは元同僚の居る77号車マツダでそれぞれステアリングを握ることとなった。
■ピゴット「チーム全体が改善されている」
「“マツダチーム・ヨースト”は我々のプロトタイプカー・プログラムを一から再考したものだ」と語るのはマツダ・モータースポーツのジョン・ドゥーナン代表。
「結果としてプログラムの成功への期待値はとても高い。チームのひとりひとりが勝利というひとつの焦点に向かって動いており、これらがすべて実行された時、我々は誰が何をしているのかという心配をすることなくデイトナのレースウイークを計画どおりに終えることができるだろう」
本戦に先立ち、1月5〜7日に開催された公式テストを終えたドライバー陣のうち、今季も55号車マツダをドライブするボマリートは「3日間のテストで僕たちは、新しくなったクルマについて多くのことを学ぶことができた」とコメント。
「(テスト走行はもちろん)ドライバー交代やピットストップ練習、戦略の検討なども行なうことができ、テストは成功裏に終わったと言っていいだろう」と語った。
また、助っ人としてボマリート/ティンクネル組の55号車マツダをサポートするピゴットも「素晴らしい日々を送れた」とテストの成功を喜ぶとともに、2017年のスポット参戦時と比べて「さまざまな面でチームに変化が見られる。チーム全体が改善されていることは間違いない」と新生マツダチームを評した。
77号車マツダでWSCCにフル参戦を果たすジャービスは「マツダRT24-P DPiの進化にドライバーとして期待している。現状、僕たちのチームはうまくことを進められているんだ。この状態が続けられれば、僕らは良いポジションを争えるだろう」と期待を寄せる。
さらに、ベテランのラストも「マツダチーム・ヨーストはまだまだ新しいチームだが、チームの誰もが結果を求めて仕事をしていることもあってクルマは冬の間に大きく改善されている」と語った。
公式テストで総合8番手となったマツダRT24-P DPiは、総合トップタイムをマークしたキャデラックDPi-V.Rから1.4秒の差をつけられたものの、そのキャデラックDPi勢は既報のとおり本戦用BoPで性能が抑制されることが決定済み。一方、マツダDPiはパフォーマンスを向上させる調整を受けることから両者の差は縮まると予想される。
まもなく開幕するデイトナ24時間は、25日(木)にフリープラクティスと公式予選が行われ、26日(金)4回目のプラクティスを実施。24時間の決勝レースは27日(土)14時40分(日本時間28日(日)04時40分)にスタートする。
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