アルゼンチンの人気シリーズ『STC2000』、ワークス参戦2年目のホンダ・レーシングは勢力拡大
グローバルに活躍を演じるツーリングカー・スペシャリストを多数輩出するアルゼンチンの人気選手権、スーパーTC2000(STC2000)に参戦するホンダ・レーシング・アルゼンティーナは、2020年シーズンに向けシビックSTC2000を1台追加し4台体制に拡充することを発表。4名のドライバーのうち3名をアナウンスし、本格的に選手権タイトルへ挑む決意を示した。
ホンダ陣営は、ここ数年フォード系プライベーターとしてシリーズを戦ってきたRAMレーシングとのジョイントで、2019年からファクトリー・プログラムでのSTC2000復帰参入を果たした。
2020年に向けては、シビックSTC2000をさらに1台追加投入するとともに、ドライバーラインアップを大幅に入れ替えることで、チャンピオンシップへのコミットを強める意思を明確にした。
発表されたドライバーのうち、残留したのは2019年ドライバーズランキング18位だったファン-アンヘル・ロッソのみで、2019年に所属していたリカルド・リサッティ、ホセ-マニュエル・ウルセラの名は見当たらず。
代わってチームへの加入がアナウンスされたのは47歳の大ベテラン、ファン-マニュエル・シルヴァ。1997年には全日本ツーリングカー選手権(JTCC)にも参戦し、トヨタのコロナExivやチェイサーをドライブした経歴を持つ。
また同時に、かつてはトップカテゴリーとして開催されていた同国のTC2000シリーズでは12シーズンにわたってホンダのマシンをドライブし、1999年にはホンダ・チーム・プロ・レーシングのシビックでドライバーズチャンピオンを獲得している。
そしてもうひとりの新加入ドライバーは、こちらもTC2000時代に6シーズンにわたりシビックをドライブしたキャリアを誇るファビアン・シャナンツォーニで、チームとは初のジョイントとなる。
シャナンツォーニは2012年からのSTC2000時代はルノースポール、プジョースポールとフランスの2大メーカーのマシンをドライブし、2019年はプジョースポール撤退に伴い、新たにフィアットのファクトリーチームへと変貌したDTAレーシングで新型ティーポSTC2000のステアリングを握っていた。
これでホンダ・レーシング・アルゼンティーナby RAMレーシングは、ロッソ、シルヴァ、シャナンツォーニのシートが確定。残る1名は「今後数週間以内に」発表するとしている。
一方、シャナンツォーニ移籍でシートが空いた形のフィアット・レーシングチームSTC2000は、WTCR世界ツーリングカー・カップのレギュラーで、STC2000を連覇した経験もあるネストール・ジロラミの弟、フランコ・ジロラミ起用をアナウンスした。
チームは2020年に向け3台の新型『アルゴSTC2000』投入を決めているが、27歳のフランコ自身はシリーズ伝統の長距離イベント、ブエノスアイレス200kmの2018年大会で兄のセカンドドライバーとしてチームを経験しており、母体となるDTAレーシングとは“”再会”を果たした形だ。
「これは大きな挑戦だが、フィアットが選手権の主役になれるよう110%のパフォーマンスで挑みたい。僕はチームでは新人になるけれど、一昨年のブエノスアイレス200kmでともに働き、今では家のような雰囲気さえするよ」と、決意を語ったフランコ。
「彼らは兄のネストールとともに、2度のドライバーズチャンピオン(2014、2015/プジョー408)を勝ち獲った。2020年に成功を収めるために、一歩一歩物事を進めていきたいと思っている」
シャナンツォーニと同じくチームを去ることが決まったマリアーノ・ウェルナーの不在も埋めるべく、残留組のマティアス・ムニョス・マルケージとともに新型アルゴSTC2000の開発を担うフランコだが、2012年にはSTC2000の下位シリーズ的存在に変化したTC2000でドライバーズチャンピオンを獲得。さらに、同国で人気のシルエット・シリーズ、トップレースV6でも2018年にタイトルを獲得している。
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