ERC開幕戦にWRCからの刺客。ヒョンデ復帰のクレイグ・ブリーンが『i20 Nラリー2』で参戦へ
2023年よりWRC世界ラリー選手権でもヒョンデのファクトリーチームに復帰し、最新のi20 Nラリー1をドライブするクレイグ・ブリーンが、欧州域内最高峰のERCヨーロッパ・ラリー選手権の開幕戦『ラリー・セラ・デ・ファフェ・フェルゲイラス』への出場を発表。3月10〜12日に開催されるオープニングイベントでヒョンデi20 Nラリー2をドライブする。
また、イタリア出身で2019年のアバルト・ラリーカップ王者でもあるアンドレア・ヌチータもi20 Nラリー2でのERC挑戦を表明し、2022年に北欧フィンランドの国内選手権を制したミッコ・ヘイッキラも、シュコダ・ファビア・ラリー2エボでのフル参戦を計画している。
新生ラリー1初年度をMスポーツ・フォードで過ごし、今季よりヒョンデのプログラムに再合流したブリーンは、WRCでのスポット起用に加えて完全なポルトガル国内チャンピオンシップ・プログラムの一部を形成するべく、今回のイベントでは“ヒョンデ・ポルトガル”からエントリー。ERCステージウインの経験も持つリカルド・テオドシオとの2台体制で出場することになった。
現在32歳のブリーンもERCでキャリアの礎を築いており、これまでに通算5勝を挙げて3回のランキング・トップ3入りを記録している。そのアイルランド出身ラリーストにとって、ERCへの出場は2021年にチームMRFタイヤから参戦したターマック戦『ラリー・デ・ローマ・キャピタル』以来となる。
「このプロジェクトにはとても興奮している」と、今回もおなじみジェームス・フルトンとのペアでラリーに挑むブリーン。
「WRCとポルトガル双方のチャンピオンシップに同時に出場することは非常に挑戦的であり、地元ポルトガル戦でチーム・ヒョンデ・ポルトガルを代表して戦うことにとても意欲を感じている。スウェーデンで2023年のWRCシーズンを開始する予定だが、ファフェに行くのも待ち切れないね」
■「いつものようにできるだけ速く走りたい」と昨季のERCリエパヤで表彰台を獲得したヘイッキラ
同じくヒョンデi20 Nラリー2を走らせるレーシングネットワークと契約したアンドレア・ヌチータは、新たにチームディレクターに就任したERC通算19勝、1993年のWRCラリー・サンレモ勝者である名手ジャンフランコ・クニコの指導のもと、ヒョンデ・モータースポーツ・カスタマーレーシングの契約チームであるフリウーリモーターとの技術パートナーシップ契約を通じ、最新のラリー2規定モデルをドライブする。
「こうしてレーシングネットワークで冒険を続けることができて本当にうれしい。アレッサンドロ(・フルチ代表)、フランコ、そしてチーム全体が僕への信頼を新たにしてくれたことに感謝している」と続けた33歳のヌチータ。
「ERCは非常にハイレベルなシリーズであり、重要なメディア露出からもメリットを得ることができる。発見すべきことがたくさんあるが、今季の主な目的は、得られた経験を最大限に活用するため可能な限り多くを学ぶことだ」
「直近に初めてテストできたi20 Nラリー2は競争力のあるクルマであり、その潜在能力を最大限に発揮できるよう、最善のソリューションを採用するよう努めたい」
そして母国フィンランドで力強い活躍を演じ、最終2戦の勝利で念願のシリーズチャンピオンを獲得した31歳のミッコ・ヘイッキラも、2023年ERCより複数年契約の一環として、ポルトガルを拠点とするレーシング・ファクトリーに加入。ミシュランを装着したシュコダでシーズンを追うこととなった。
「僕らの次のステップへの前進をついに発表できて素晴らしい気分だ」と、昨季7月のERCリエパヤでは表彰台も獲得しているヘイッキラ。
「いつものようにできるだけ速く走りたい。もちろん表彰台を争ってグラベルで勝つことが主な目標だが、ターマックでそれをマスターするにはより多くの距離と経験が必要だ。でも、幸いにしてERCにはターマック・ラリーがたくさんある。少し楽に始めて、リズムを見つけたらペースを上げたいと思っているよ」
「これを可能にしてくれたすべての人々、僕自身の協力パートナーとレーシング・ファクトリーの両方に心から感謝している。僕らはヨーロッパ選手権で勝ち、地位を得るためにここにいるんだからね!」
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