シューマッハー家所有のカート場が消滅の危機を脱す。コースを改修し、再び国際レースの開催を目指す
ドイツのケルペンにあるシューマッハー家所有のカートコースでは、ふたたび一流の国際的レース会場にするための大規模な改修が行われる予定だ。
ケルンから30kmほど離れたところにある、ランドマークとも言えるカート場は、ミハエルとラルフの兄弟がモータースポーツのキャリアを始めた場所だ。だが数年前に近くのハムバッハーの森の一部とともに消滅するところだった。ドイツのエネルギー企業であるRWE社が、同エリアの石炭採掘作業の拡大許可をドイツ政府から取り付けたためだ。
しかし2020年、地元の環境保護主義者の努力により、ラインラントでの褐炭採掘は石炭に関する協定により規制されることになった。つまりハムバッハーの森とこのカートコースを含む近隣地域は、永久に石炭採掘活動から除外されることになったのだ。
だがRWE社はすでにカートトラックがある土地を含め、いくつかの区画を取得済みだった。そこでRWE社は、ケルペン・カートトラックのオーナーとリース契約の交渉を行い、カート場は元々の土地の売却利益を、トラックを近代化する改修プログラムに投じることができるようになった。
「我々はRWEと10年間のリース契約を締結した。契約には5年以上のオプションも付いている。また土地の売却利益で、必要とされている改修費用を賄うことができる」と、地元カートクラブ代表のゲルハルト・ノアックは、『Kölner Express』に語った。
「連絡道路とコースは新たにアスファルト舗装され、鋳鉄製の縁石やダブルキャッチフェンスも備え付ける予定だ。そうすれば世界選手権やヨーロッパ選手権、WSK選手権といった国際レースをふたたび開催できるようになる」
ケルペンで前回世界選手権イベントが行われたのは2001年のことで、ルイス・ハミルトン、ニコ・ロズベルグ、ビタントニオ・リウッツィといった、印象強い急成長中の才能の持ち主たちがずらりと顔をそろえていた。当時フェラーリのドライバーだったミハエル・シューマッハーもFSAの最終戦に参加し、推定5000人のファンの前で傑出したスキルを見せ、勝者リウッツィに次いで2位に入賞した。
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