トヨタのエバンス、GRヤリス・ラリー1のパフォーマンスを評価するには「時期尚早」
2022年もTOYOTA GAZOO Racing WRTの一員としてWRC世界ラリー選手権に参戦しているエルフィン・エバンスは、新しいラリー1マシンのパワーバランスを理解するためには、まだしばらく時間が掛かると考えている。
50周年のメモリアルイヤーを迎えている2022年のWRCでは、ハイブリッドシステムを搭載した新型マシンがトヨタ、ヒュンダイ、Mスポーツ・フォードから登場している。
ヤリ-マティ・ラトバラ代表が率いるTOYOTA GAZOO Racingは『トヨタGRヤリス・ラリー1』を“新時代”の幕開けとなるシーズンに送り込んでいるが、エバンスは明確なパフォーマンス像が示されるまでには異なるサーフェス(路面)で、いくつかのイベントをこなさなければならないと語った。
2022年の開幕戦モンテカルロはステージの多くがドライ路面となったため、使用するタイヤの選択肢が狭まり、各社が用意したハイブリッドマシンの出来を評価する状況として良いものを提供した。しかし、トランスミッションやサスペンションなどにおける技術後退と、それに組み合わされる新しいハイブリッド・ブーストの複雑さは、エバンスに警戒しながらのドライビングを強いた。
「伝統的に、ポルトガルはつねに“パフォーマンス・マーカー”だった」とエバンスは述べた。
「以前はモンテ、スウェーデン、メキシコ、そしてポルトガルに行った。そこが自分たちの立ち位置を度理解するポイントだったんだ」
「クロアチア(第3戦:4月21〜24日)では、僕たちはアスファルトラリーですでにある程度のレベルに達しているはずだ。もちろん、グラベル(未舗装路)もあるが」
5月19〜22日に開催される第4戦ポルトガルは今シーズン最初のグラベルラリーとなり、その2週間後には第5戦イタリアが控えている。さらに、7月中旬にはもっとも高速なグラベルラリーとなる第7戦エストニアが、3メーカーの新車を待ち受ける。
「シーズン前半の終わり頃になると思うが、そこでは誰もが(自分たちが)どの辺りのレベルにいるのかを知ることができると考えている」とエバンス。
「次のラリー(スウェーデン)はとても特殊だから、公平に見たときに僕たちがどこに居るのかが正確には分からない。まだ初期の段階であり、この時点で誰かを見限るのはフェアじゃないと思う」
ラリー・モンテカルロを最終的に総合21位でフィニッシュしたウェールズ人は、「クルマやフィーリングの面では、いい週末だった」と開幕戦を振りかえった。
エバンスは、トップと約10秒差の総合3番手で迎えた土曜朝のステージでコースオフを喫し約20分を失った。これにより上位フィニッシュは困難になったものの、彼は最終パワーステージで僚友カッレ・ロバンペラに次ぐ2番手タイムを記録し、4ポイントを持ち帰っている。
「多くのポイントを持ち帰ることはできなかったが、クルマのフィーリングの面では、いい週末だった」
「いくつかの面で励みになる週末だったが、同時にミスを犯してしまったことはとても悔しいし、自分自身に失望している」
「難しいラリーになるのは分かっていた。テストも多くできたわけでない。だが公平に見て、テストよりも本番の方がずっとマシンの調子が良く、幸せなポイントを見つけられていた。チームの皆には感謝しているよ。彼らはこれを乗り越えさせるために多くの努力を重ねてきたんだ」
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