WRCスウェーデンの初日は10秒以内に4人が並ぶ大接戦。ヌービルがトヨタ勢をリード
2月25日、WRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデン競技初日はデイ1のSS1からSS7が行われ、ヒュンダイ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 Nラリー1)が暫定首位に立った。トヨタGRヤリス・ラリー1を駆る勝田貴元(TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーション)は総合6番手につけている。
今大会のサービスパークが置かれたウメオの北側エリアで初日のラリーが行われたラリー・スウェーデン。シーズン唯一のフルスノーラリーのデイ1は、5人のドライバーの名がリーダーボードに載る異例の展開となった。
7本のSSで争われたデイ1を総合首位で終えたヌービルは、総合2番手で迎えたSS7でステージ2番手タイムをマーク。SS4の終了以降にトップに立っていたエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)を逆転している。
このベルギー人はSS5終了時までは総合5番手につけていたが、日が沈み辺り暗くなるにつれてペースを上げ、SS6でベストタイムを記録し総合2番手に。そして1日の最後にウメオで行われたステージでライバルを逆転した彼は、SS7を制して総合2番手に順位を上げてきたカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)に対して4.3秒のリードを掴んでいる。
「午後はとても力強いペースを発揮できた」と語ったヌービル。
「2度目の(走行時の)コンディションがあまり良くないことは分かっていた。しかし、タイヤマネジメントがうまくいって最後のふたつのステージでタイムを取り戻すことができた。昼間に小さなセットアップの変更を行ったのが奏功し、とても快適に感じるようになったんだ」
ヌービルの後方には初日の先頭走者を務めたロバンペラをはじめ、チームメイトのエバンス、今戦がラリー1デビュー戦となったエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が僅差で並んだ。このトップ4のタイム差はわずか8.8秒だ。
ロバンペラもヌービルと同様に、巧みなタイヤマネジメントが功を奏した。若きフライング・フィンは、午前中のループを首位で終えた後に迎えた午後の再走ステージで、悪化した路面コンディションのなかで道を開くのにタイムを失ってしまう。しかし、慎重にタイヤを使うことで後半にかけてペースを取り戻し、一時は6番手まで下がった順位を2番手に引き上げてみせた。
■優勝争うタナク、ハイブリッドシステムの“警告”作動によりデイリタイア
一方のエバンスはSS4〜6にかけてラリーをリードしたが、終盤にかけてタイヤが厳しくなり最後のステージでペースダウン。トップから7.4秒差の総合3番手に順位を落とした。古巣復帰のラッピはSS2でベストタイムをマークし、同SS終了時にトップに浮上した。しかし、直後のステージでエンジンストールに見舞われ、約15秒と暫定首位のポジションを失ってしまう。それにもかかわらず終盤にかけてふたたびチャージした彼はエバンスからわずか1.5秒差の総合4番手で1日を終えている。
ヒュンダイの若手オリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20 Nラリー1)は一時、総合2番手につけるなど1日をとおしてトップ争いに加わっていたが、SS7のジャンクションをオーバーシュートしたことでタイムを失った。これによりトップから28秒遅れの総合5位となっている。
SS7で3番手タイムを記録した勝田はスノーバンク(雪壁)の中でタイムを失い、初日は総合6番手でのフィニッシュに。彼の後ろにはMスポーツ・フォードのアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)とガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)が続いた。グリーンスミスは自身のドライビングミスに加え、ハイブリッドシステムとギアボックスにトラブルが発生するなど波乱の1日となった。
総合9番手はWRC2リーダーのアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)。同クラス2番手となったオーレ・クリスチャン・ベイビー(フォルクスワーゲン・ポロR5)が総合10番手につけている。
オット・タナク(ヒュンダイi20 Nラリー1)はSS1を制して初期ラリーをリードし、その後もトップ争いを続けていた。しかし、午後になって彼のクルマに搭載されたハイブリッドユニットの警告システムが作動。これにより不運にもデイリタイアを余儀なくされた。
クレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)は、この日リタイアしたもうひとりのドライバーとなった。彼はSS2でスノーバンクに乗り上げてストップした。この影響でステージには赤旗が提示され、一時競技が中断されている。
26日(土)のデイ2は、午前中にウメオの西側で2本のステージを走り、その後サービスパークの近くに設定されたステージを走行する。午後もこの3つのステージで争われる予定だ。6本のSSの合計距離は82.30km、リエゾン(移動区間)を含む1日の総走行距離は390.50kmとなっている。なお、当初予定されていたSS9と再走ステージのSS13はトナカイの群れの予期せぬ移動の懸念があるため事前にキャンセルとなっている。
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