【J1リーグ2023】期待に応えられていない注目の選手3選
2023年明治安田生命J1リーグ第2節の各試合が、2月24〜26日に開催された。ここまで開幕2連勝で好スタートを切っているのは、ヴィッセル神戸、横浜F・マリノス、名古屋グランパスの3チームだ。
ここでは、これまでの活躍から新加入にて大きな期待を寄せられるも、J1リーグ第2節の試合中では力を発揮できなかった3選手をピックアップしていこう。
FWレオ・セアラ(セレッソ大阪)
2022シーズンは、優勝を果たした横浜F・マリノスで11得点を挙げたストライカー、FWレオ・セアラ。大きな期待を寄せられながらセレッソ大阪へ加入した。
J1第1節のアルビレックス新潟戦(2-2)では、71分のプレータイムの中でシュート数はわずかの1。まだまだ力を発揮できていると言えない状況で迎えた今第2節のアビスパ福岡戦(1-2)では、前への推進力を発揮できなかった。
第2節、39分、C大阪のカウンターのシーン。福岡の選手が5人なのに対し、C大阪は4人。突破できる可能性が高かったが、MF原川力が左サイドでボールを持つも、レオ・セアラは縦へのランをせずに停滞。結果ボールが止まり、福岡FWルキアンにブロックされてしまう。人数が揃っていたシーンであったからこそ、縦に抜けて前への推進力をみせるべきであった。福岡の1点目のFWルキアンのようなランで。
しかし、ネガティブなことばかりではない。52分にはレオ・セアラの特徴であるパンチ力も見せている。シュート数を増やすことで調子が出てくるタイプの選手であるため、次節の浦和レッズ戦(3月4日)はシュートを多く打ってリズムを作って欲しい。
FWブライアン・リンセン(浦和レッズ)
オランダの名門フェイエノールトからきたストライカー、FWブライアン・リンセンが苦しんでいる。2022シーズン途中に浦和レッズに加入も、直後の試合で怪我を負い、リーグ戦出場数はわずかの3。プレータイムも159分と少なく、チームにフィットしているとは言えなかった。
そんな中で迎えた2023シーズン。開幕から2試合ノーゴール。浦和のチーム自体も開幕ノーゴール2連敗と、攻撃陣の低迷が続いている。
第2節の横浜FM戦(0-2)でも、リンセンの決定機は前半2分のみ。全体的にアジリティ(敏捷性)の強度も低く、目立ったボールの引き出しもできずにいた。正直このままでは1トップとして機能することは難しい。浦和としても攻撃の方法をどうしていくのか。模索段階にしろ、すでに34試合中の2試合が終わってしまった。早急に攻撃構築をする必要があるだろう。
浦和のマチェイ・スコルジャ監督も試合後インタビューで「サッカーでは結局決定力。フィニッシュに持っていかないといけない」と得点力の必要性を説く。この言葉にリンセンは応えることができるか。次節(3月4日)はホームにセレッソ大阪を迎える。
DF植田直通(鹿島アントラーズ)
4年半ぶりに鹿島アントラーズに戻ってきた元日本代表DF植田直通にとっても、今節は厳しい結果となった。ニーム(フランス)より2022年に復帰を果たし、早速名門のディフェンスリーダーとして最終ラインに君臨している。
第2節の川崎フロンターレ戦(1-2)では、植田は鹿島ディフェンスを統率しきることができず、相手10人の中、残り9分の間に逆転を許したことには厳しい言葉をかけざるをえない。
失点シーンを振り返ると、どちらも植田が直接関係しているわけではない。むしろ2失点目につながる川崎のシュートシーンでは、ゴールに対してスライディングブロックをしてカバーしていた。しかし、そこに至るまでのゲーム運びが結果として、2失点と数的不利な相手に逆転を許したことにつながったと考える。
特徴的なのは83分のシーン。前線のFW松村優太が、川崎GKチョン・ソンリョンに対してプレスをかける。他の鹿島攻撃陣も松村に反応してプレスをかける。しかし、鹿島DF4名はディフェンスラインを低くし、前線との間延び(攻撃陣と守備陣が広がり、中盤にスペースができていること)が発生。セカンドボールを川崎に拾われていた。
攻撃陣と守備陣によるディフェンス方法を統一できていないこと。前線がプレスをかけるのであれば、リーダーである植田がDFラインを上げる動きを取るべきであった。ましてやFW鈴木優磨が交代で退いた以降、キャプテンマークを巻いている。ゲームにおける統率を取らなくてはいけない。次節、横浜FC戦(3月4日)では、名門ディフェンスラインを束ね、無失点でゲームを締める植田の姿を見たい。
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