【宮田莉朋F2密着】開幕戦の収穫と初走行ジェッダ市街地で受けた洗礼。未来への大切な糧
2024年FIA F2第1戦サクヒール(バーレーン)のフィーチャーレース(決勝レース1)で9位に入り、初ポイントを獲得した宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)。サクヒールでの最大の収穫を次のように語った。
「コースとクルマとタイヤをある程度自分のなかで理解できていれば、いいところで戦えるということがわかったこと。焦らずに着実にやれば、自ずと結果は着いてくると思えたことがいちばんの収穫です」
ただし、2戦目のジェッダ(サウジアラビア)に向けては不安も覗かせていた。その理由はふたつある。
ひとつはバーレーンは直前に合同テストがあり、かなり走り込んでからレースの週末を迎えることができたことだ。その点、2戦目のジェッダは45分間のフリー走行を1回走ったあと、すぐに予選を迎える。これはルーキーの宮田にとっては、大きなハンディキャップだ。
もうひとつの懸念は、サウジアラビアでのレースの舞台となるジェッダ・コーニッシュ・サーキットが市街地コースだという点だ。市街地コースというと、F1のモナコGPの舞台となるモナコ市街地サーキットが有名で、曲がりくねった低速コースのイメージが強い。だが、ジェッダ・コーニッシュ・サーキットはそのイメージとは真逆で、中高速コーナーが連続するパワーサーキット。レッドブルのセルジオ・ペレスは「カレンダーで最も危険な場所」と表現するほど、チャレンジングなサーキットだ。
宮田もこう語る。
「ハイスピードなストリートコースという感じです。(クラッシュする)リスクが高いサーキットなので、他のサーキット以上にクルマと自分のドライビングが噛み合っていないと、いいパフォーマンスが出せないという印象です」
ただし、宮田のストリートコースの経験は決して豊富ではない。
「経験がF3のマカオGPだけなので、得意かどうかは正直自分ではわからないのですが、チームはマカオを経験していれば、大丈夫とは言ってくれています。なので、マカオと同じように、フリー走行でできるだけ多くのラップを走って、慣れてコースを覚えていくしかないという感じです」
そのジェッダで宮田はFIA F2の洗礼を受けた。予選では最下位となる20番手に終わり、スプリントレースではペースが上がらずに14位でフィニッシュし、ライバル2台の失格により繰り上がり正式結果は12位という結果となった。
それでも、宮田に焦りはない。
「最初からいいレースが簡単にできるとは思っていません。何かつかめば、行けるという感じはしています。ただ、すべてのコースが初めてなので、必ず壁が出てくると思っています。限られた時間ですが、その壁を乗り越えられたらいいなと思っています」
その経験こそが、いまの宮田には未来に向けて大切な糧となるはずだ。
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