ユナイテッド・オートスポーツ、ル・マンでのラインアップ変更を説明。走行経験を持つ濱口弘に期待
チーム共同オーナーのリチャード・ディーンによると、ユナイテッド・オートスポーツがル・マン24時間レースに向けてLMGT3ドライバーのラインアップを改訂した理由は主に予算であり、同氏はWEC世界耐久選手権のラインアップを最終決定するまでの期間が短かったことも挙げた。
彼らは95号車マクラーレン720S GT3 Evoにおいて、佐藤万璃音以外のふたりのドライバーをル・マンで変更する。ジョシュ・ケイギルに代わって濱口弘がブロンズドライバーとなり、シルバードライバーのニコ・ピノはクラスを変えてユナイテッドのLMP2車両をドライブするのだ。ル・マンにおけるピノの後任ドライバーは、まだ発表されていない。
一方の59号車では、ジェームス・コッティンガム/ニコラス・コスタ/グレゴワール・ソーシーというフルシーズントリオが、ル・マンにもそのまま参戦するものと理解されている。
「正直に言うと、すべては非常に遅かったこのプログラムのスタートに原因がある」とディーンはSportscar365に語った。
「このシリーズにメーカーサポートがないという事実は、予算が必要であること意味する」
「そのため、非常に質の高いドライバーラインアップを維持しながら予算をまとめるのは、これまでの期間では困難だった」
「(ドライバーの)グレード要件、能力、予算、性格、経験といった複雑な条件が加わる。シーズンを通じて最高の組み合わせを見出すことが重要だ」
ディーンはこう付け加えた。「みんなで座ってビールを飲みながら、素晴らしいドライバーを3人選ぶこともできる。だが、その場合はおそらくすぐに廃業することになるだろう」。
「ドライバーが受けられるサポートや、我々が確保できるサポートとのバランスを取る必要がある」
「そして、チームのスポンサーシップをなんとか確保できたとしても、スポンサーがドライバーの国籍などに関して何らかの指示を出したい場合がある。我々はそれらすべてをつなぎ合わせようとしているところだ」
ディーンは、95号車ドライバーのラインアップ変更は、他の要因も考慮して行われたと説明した。
「我々はル・マン経験のあるドライバーとともに、ル・マンに行きたかった」とディーンは語っている。
「そこで濱口弘を加えた。彼は24時間レースには出場していないが、(サポートレースの)ロード・トゥ・ル・マンの過去2回のレースでは優勝していると思う。彼はそこで本当に速かったし、その界隈で最高のブロンズドライバーのひとりであり、コースを熟知しているからね」
■将来のハイパーカー参戦に向けてもプラスに
LMP2クラスが廃止される中、チームがWECに出場し続けることは、将来的にトップクラスのプロトタイプ競技(ハイパーカークラス)に参入する見通しを考えると、プラスにしか考えられないとディーンは述べている。
「正直な答えを言うと、『ここにいないよりはいるほうが良い』ということだ」と彼は語った。
「それが本当に何かにつながるかどうか、そして我々をそのステージで脚光を浴びさせることで、このプロジェクトへのスポンサーシップであれ、トップクラスでの参戦であれ、さらなる機会を得ることができるかどうか。家でただ座っているよりも、パドックを行き来している方が、チャンスがめぐってくる可能性は高くなるというものだ」
「我々はWECが大好きだ。ル・マンに出場したいと思っている。そして、トップシリーズに残りたいと思っている」
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