ベッテルの名前はなし。ル・マン24時間、全車のエントリー固まる。FIA F2王者ドルゴヴィッチ初参戦へ

2024年5月7日(火)12時26分 AUTOSPORT web

 5月6日、ACOフランス西部自動車クラブは、6月12〜16日に行われる2024年WEC世界耐久選手権第4戦『ル・マン24時間レース』の暫定エントリーリストを公開した。これにより2月に発表された第一弾のエントリーリストではTBCとなっていた枠がすべて埋まり、186名の出場ドライバーが決定した。


 フェラーリ、トヨタ、プジョー、ポルシェ、キャデラック、BMW、アルピーヌ、ランボルギーニ、イソッタ・フラスキーニという9つのメーカーが参戦しているトップカテゴリーのハイパーカークラスでは、ル・マンにのみ登場するポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの3台目と、同じく追加エントリーとなるウェーレン・キャデラック・レーシングの布陣が確定。前者はフェリペ・ナッセとニック・タンディを起用し、すでに4号車ポルシェ963のリストに名を連ねていたマシュー・ジャミネとのトリオを完成させた。この3名は昨季2023年のル・マンでも追加エントリーとなった75号車ポルシェ963をドライブしている。


 今回のポルシェの選択は、今年3月にモーターランド・アラゴンでポルシェ963をテストドライブした元F1チャンピオン、セバスチャン・ベッテルの起用が見送られたことを意味する。同社のファクトリーLMDhディレクターを務めるウルス・クラトルによれば、最終的にはル・マンでの経験の有無が決め手になったという。


「非常に強力で同等のスキルを持つチームを考えると、決断は簡単ではなかった。最終的には、ル・マンの経験があることが決め手のひとつになった。ニック・タンディはル・マンに11回参戦し、2015年にはポルシェで優勝している。フェリペ・ナッサはサルト(・サーキット)で4回レースを経験している」


「さらに、このトリオは2023年のル・マンでの共同キャンペーンで、強力なラップタイムと素晴らしいチームワークを我々に印象づけた」


 なお、ポルシェはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で活躍しているデーン・キャメロンをル・マンのリザーブドライバーに指名している。


 一方、311号車キャデラックVシリーズ.Rを走らせる現IMSA GTPチャンピオンのウェーレン・キャデラック・レーシングは、レギュラードライバーのピポ・デラーニとジャック・エイトケンに加え、フェリペ・ドルゴヴィッチを3人目のドライバーに指名した。2022年のFIA F2王者である23歳のブラジル人ドライバーは、2022年と翌23年のル・マン24時間バーチャルで連覇を果たしたあと、現実世界のル・マンにデビューする予定だ。


 このほか、2月の時点ではプジョー・トタルエナジーズのラインアップが確定していなかったが、WECレギュラー陣の出場が決定している。アルピーヌ・エンデュランス・チームでは、負傷の影響で第2戦イモラに続き“ル・マンの前哨戦”となる第3戦スパも欠場することになったフェルディナンド・ハプスブルクが35号車アルピーヌA424のシートに戻る予定だ。


■ジョーダン・テイラーがフェラーリで初参戦


 LMP2クラスではELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズの常連であるベント・ビスカールが、プロトン・コンペティションの9号車オレカ07・ギブソンに乗ることが決まりマセオ・カピエット、ヨナス・リードとチームを組むこととなった。


 アレックス・クインは、AO・バイ・TFが走らせる14号車オレカ07に乗る最後のドライバーに指名され、PJ.ハイエットとルイ・デレトラズと組む。


 ニールセン・レーシングは24号車オレカ07のラインアップを一新し、2月時点で登録されていたアルバート・コスタ・バルボアに代えてキフィン・シンプソンとファビオ・シェラーをデビッド・ハイネマイヤー・ハンソンとともに迎える。


 23台で争われるLMGT3クラスでは、ジョーダン・テイラーがスピリット・オブ・レースの155号車フェラーリ296 GT3のサードドライバーに決定した。


 スイス籍のチームは先週、ダンカン・キャメロンからブロンズドライバーのジョニー・ラウルセンにドライバーを変更。彼の息子であるコンラッド・ラウルセンもチームに加わっている。アキュラのファクトリードライバーであるテイラーは以前、シボレー・コルベットでLM-GTEプロクラス優勝を飾っているが、フェラーリでのル・マン参戦は今回が初めてとなる。


 フォード・マスタングGT3をル・マンにデビューさせるプロトン・コンペティションは44号車の布陣を固め、チーム代表のクリスチャン・リードが、シルバードライバーのベン・タック、アウディを離れフォード・パフォーマンスのファクトリードライバーとなったクリストファー・ミースとともにレースに復帰することとなった。


 なお、GTレースのベテランであるミースは今回がル・マンデビュー戦となり、JMWモータースポーツからの参戦が決まったラリー・テン・ホールデも同じく初参戦を飾る。オランダ人の彼は、ジャコモ・ペトロベッリ、サリ・ヨルックとともに66号車フェラーリ296 GT3のステアリングを握る。


 3名中2名がTBCとなっていたGRレーシングでは、ダニエル・セラとリカルド・ペラが起用され、マイク・ウェインライトと86号車フェラーリ296 GT3をシェアすることが決定。また、ユナイテッド・オートスポーツの95号車マクラーレン720S GT3エボを駆る濱口弘と佐藤万璃音のチームメイトはニコラス・ピノに決まっている。

2024ル・マン24時間レース暫定エントリーリスト(5月6日付/※PDFが開きます)


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