F1ドライバーの視界と安全性の向上を目指し再度コース改修を行ったサウジアラビア。ラップタイムはわずかに短縮か
F1サウジアラビアGPのプロモーターであるサウジ・モータースポーツ・カンパニーの最高責任者マーティン・ウィテカーは、3回目のレース開催に向けて行われた安全上の変更について、F1ドライバーたちは満足するだろうと期待している。
2021年12月のF1初開催の後、サウジアラビアGPの舞台であるジェッダ・コーニッシュ・サーキットでは、6.175kmのコース施設周辺の数カ所のエリアで視界が改善され、最終コーナーのコース幅の変更が行われた。そして今週末にF1第2戦を開催するこの高速コースには、ドライバーの視界と安全性をさらに向上させるための改良が加えられた。
『ランブルストリップス』がターン3、14、19、20、21に追加されたほか、鉄製の縁石の代わりに傾斜のついた縁石がターン4、8、10、11、17、23に設置された。ドライバーの視界向上については、ターン14と20の左右のフェンスウォールを後退させ、ランブルストリップスが設置された。ウォールはまた、ターン8と10でも後ろに下げられ、視界が改善された。
そして最後に、高速のターン22と23の複合コーナーでは、ターン23のフェンスの調整によって『S字』の形が絞り込まれ、傾斜のついた縁石が追加された。この結果、複合コーナーの通過スピードは時速50km程度減速することになる。
「ドライバーたちは非常に気にいると思う。彼らが初めて目にする機会は、木曜日のコースウォークの時だ」とウィテカーはポッドキャスト『F1 Nation』に語った。
「冬の間、我々は視線を改善するための非常に興味深い変更を再び行った。5カ所のコーナーでフェンスを2mから7m後退させた。それにより一部の場所では、コースの全体的な外観と雰囲気にかなり顕著な変化が生まれている」
ウィテカーはこれらの変更すべての影響により、ジェッダ・コーニッシュ・サーキット全体のラップタイムがわずかに短縮されることを認めた。
「ラップタイムが多少短縮されるだろうが、それほど大幅にということではない」
「事実上の視界を改善することで、一部のコーナーにおいてドライバーがより能力を発揮できる可能性さえあるということだ。そのためいくつかのコーナーでは、さらなる速さが見られるかもしれない」
昨年、当時ハースのドライバーだったミック・シューマッハーは、予選中にジェッダのターン10の縁石に足を取られ、高速でクラッシュした。コースの元々の縁石はF1の2021年型マシンに向けてデザインされていたため、縁石はF1の新世代マシンの形状によりよく対応できるように変更されたとウィテカーは説明した。
「問題のひとつは、コースは2021年型マシンを念頭に設計と建設が行われていたことだ。したがって、他のコースでもこの問題があるだろうと想像しているが、2022年のマシンが登場すると、縁石はその年代のマシンとは相性が悪かった。2022年の設計の結果だった」
「そのため、縁石のほとんどすべてを変更した。縁石の裏側はかなりスムーズになり、角度がはるかに減少したので、縁石の上に乗り上げたとしても事実上マシンがトラクションを失うことはない」
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