カルダレッリ、ランボルギーニSC63の心強いIMSAデビューを語る。初陣での手応えは“予想以上”
ランボルギーニのワークスドライバーであるアンドレア・カルダレッリは、3月16日(土)に決勝レースが行われたセブリング12時間において、自身がステアリングを握り北米デビューを果たした『ランボルギーニSC63』が堅実な走りを見せ、大きな信頼性の問題もなくレースを完走したことに「勇気づけられた」と語った。
カルダレッリとマッテオ・カイローリ、ロマン・グロージャンの3人はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦『モービル1・セブリング12時間』を総合7位で終え、優勝したウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティの40号車アキュラARX-06(ジョーダン・テイラー/ルイ・デレトラズ/コルトン・ハータ組)から28秒差でフィニッシュした。
63号車ランボルギーニは、トップカテゴリーのGTPクラスで1周もトップを走らなかった唯一のブランドとなり、残念ながら表彰台を狙うことはできなかったが、カルダレッリは今回の結果から多くのポジティブな印象を得たようだ。
「完走することが目標だったし、ペースが充分でないことも分かっていた」とSportscar365に語ったカルダレッリ。
「だが、予想していたよりも(ライバルメーカーに)近づけたと思う。とくに日中の暑い時間帯のレースペースはとても良かった。反対に、日が落ちて湿度が上がった夕方は少し苦戦したね。これは今後の課題だ」
彼は続けて、ランボルギーニが気温の低いコンディションでペースが上がらないことに困惑していることを示した。
「気温のせいじゃないかな。路面温度が下がった時に苦戦したように思うね。それまで僕らは非常に強かったんだ」
「(ペースダウンの)理由を調査する必要があるね。僕にはわからない。僕自身も驚いたよ」
■唯一のトラブルはドアの脱落
ランボルギーニはレース終盤の荒れた展開のなかでリードラップ(トップ車両と同一ラップ)を守り、カルダレッリはフィリップ・エングがドライブする24号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームRLL)とバトルを繰り広げた。
「完走したかったけど、最後はエングとのバトルを楽しんだよ。6位からコンマ数秒差の7位でフィニッシュできた。最後はサイド・バイ・サイドだったんだ。最初のレースでこんなに楽しめるとは思っていなかったね」と明るく話すカルダレッリ。
「でも完走できたし、最後の10周は楽しめたと思う。良かったよ。(終盤までは)みんなと争わないようにペースをキープして、クルマを確実に持ち帰るようにしながらレースを進めていたんだ」
「最後の数周の戦いでは、前の集団とまでは言わないけれど、上位陣の姿も見えたし(今後に向けて)心強かったね」
ランボルギーニにおいて特筆すべきは、WEC世界耐久選手権開幕戦カタールに続くデビュー2戦目、北米では初レースとなったダラーラ製の新型LMDhマシン『SC63』が、12時間もの長丁場においてメカニカルトラブルによるリタイアを喫することなく完走したことだ。“カー・ブレーカー”として有名なセブリング・インターナショナル・レースウェイだが、SC63が見舞われたトラブルはグロージャンがステアリングを握っている際にドアが外れてしまったことだけだった。
「セブリングはWECとIMSAの両選手権でもっともハードなサーキットだと思う。だから、ここで完走しこの結果で終えることができたのは、イタリアに戻るメンバーたちにとって大きな成果だったんだ」とカルダレッリは述べた。
「アイアン・リンクスとランボルギーニ。彼らは舞台裏で膨大な仕事があったのだから、この結果はみんなにふさわしい。これは励みになるよ」
「僕たちはすでに予想していなかったところからスタートしている。これは間違いなく良いことだ」
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