『シボレー・カマロ』が生産終了へ。6代目は2024年モデルで終焉も「物語の終わりではない」
2023年3月23日、ゼネラルモーターズ(GM)は6代目『シボレー・カマロ』の生産を2024モデルをもって終了すると発表した。最後の第6世代カマロは、2024年1月にアメリカ、ミシガン州のランシング・グランドリバー組立工場で製造・出荷される予定だ。
2015年にデビューした現行型カマロは、クーペとソフトトップ・コンバーチブルの2モデルがあり、この第6世代ではカマロSSに磁性流体を用いたダンパーの連続可変システムである“マグネティックライドコントロール”を搭載したほか、初めて全グレードにサーキット指向の“1LEパッケージ”が導入された。なかでも最高出力650hp(約659ps)を誇るカマロZL1 1LEサーキット走行にも対応したモデルとなっており、GMのミルフォード・プルービング・グラウンドにあるミルフォード・ロードコースでカマロ史上最速タイムを記録している。
「私たちは今、現行モデルの『カマロ』に別れを告げるにあたり、お客様、組み立てラインの従業員、そしてレースファンの皆さまへ、言葉では言い表せないほど感謝している」と語るのは、グローバル・シボレーのバイスプレジデントであるスコット・ベル。
「今日、すぐに後継車を発表するわけではないが、これが『カマロ』の物語の終わりではない。だから、どうか安心してほしい」
また、シボレー・モータースポーツは今後も世界各地のレースに挑戦し続ける意向を示している。同ブランドのパフォーマンス・ビークル&モータースポーツ担当バイスプレジデントのジム・キャンベルは、次のように述べた。
「シボレーの製品とお客さまと私たちの関係は、モータースポーツからの恩恵を受けている。自動車レースの最高峰で競い合い、勝ち続けることが私たちのプランだ」
6代目シボレー・カマロは歴代モデルと同様に、多くのモータースポーツシーンで活躍してきた。代表的な例は、全米で絶大な人気を誇るNASCARカップシリーズだ。カマロ史上最速の性能を持つ6代目はヘンドリック・モータースポーツとともに2020年からシリーズ3連覇を達成。すでに開幕している2023年シーズンにおいても、開幕戦『デイトナ500』から4連勝を挙げるなど好スタートを切っている。
また、100周年記念大会となる2023年のル・マン24時間レースには章典外の特別枠となる“ガレージ56”からカマロZL1の参戦が予定されているほか、オーストラリアではRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの2023年シーズンから採用されている“Gen3”規定の下で製作された、新しいZL1が走り始めたばかりだ。
そんな6代目『カマロ』を称える最後の特別仕様モデルとして、北米市場ではカマロRS、カマロSS、および限定販売されるカマロZL1に“コレクターズ・エディション・パッケージ”が追加設定される。同パッケージはカマロへのオマージュであり、とくにプログラムの最初のコードネームである“パンサー”など、1960年代の初代カマロの開発にさかのぼる物語を再現しているモデルとなるようだ。
なお、現段階では2024年型カマロのラインアップと北米限定発売となるコレクターズ・エディション・パッケージの詳細は明らかにされておらず、これらは今夏の受注開始前にアナウンスされる予定となっている。
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