アストンマーティン、61年ぶりのF1復帰を記念してヴァンテージの『F1エディション』を生産
アストンマーティンは、61年ぶりにF1へ復帰することを記念して、同社のスポーツカー『Vantage(ヴァンテージ)』の『F1エディション』を生産をすることを発表した。
2021年シーズンより再びF1を戦うことになったアストンマーティンは、『アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワン・チーム』としてランス・ストロールと4度のF1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルを起用し、3月26日(金)からバーレーンで始まるシーズンに挑む。また今年は、F1のセーフティカーにヴァンテージ、メディカルカーにはアストンマーティン初のSUV『DBX』が使用される。
セーフティカーには、アストンマーティンのCEOであるトビアス・ムアース氏の『F1のサーキットでセーフティカーとして役割を果たすことができるよう、オンロード性能を損なうことなく、パフォーマンスを大幅に強化してラップタイムを短縮する』という意向が直接反映されている。そこで得られたフィードバックをもとにパフォーマンスとダイナミズムを極限まで追求した結果、F1エディションはセーフティカーのレプリカモデルとしてスポーティなヴァンテージに仕上がった。
F1エディションの生産にあたり、パワートレイン、シャシー、エアロダイナミクスなど様々なエリアを改良し、パフォーマンスの徹底的な強化が図られた。4.0リッター・ツインターボV8エンジンの最高出力は25PS増加して535PSに到達し、最大トルクは685Nmと変わらないものの、8速オートマチック・トランスミッションと組み合わせることによりシフトアップ時のトルク損失が最適化され、シフト時間も短縮し、ダイレクト感と正確性が向上している。特にサーキット走行でも役立つようだ。
シャシー面ではサスペンションとステアリングに焦点を当てた。アンダーボディに細かい修正を加えてフロント構造の剛性を高め、ステアリングフィールとレスポンスが向上。路面からのフィードバックが明確になり、ドライバーはより詳細な状況を把握することが可能になる。ダンパーの内部にも改良を施し、リヤのスプリングレートと横方向の剛性を強化したことでトラクションが高まった。
空力に関してはフロントスプリッター、フロント・ダイブプレーン、アンダーボディ・ターニングベーン、リヤウイングが変更された。またフロントとリヤのダウンフォースを強化するよう設計され、最高速度では通常のヴァンテージよりも200kgも多いダウンフォースが生み出されるという。ラップタイムも短縮している。
標準装備されるホイールは従来の20インチから21インチへと拡大されたが、これはF1エディションのためにピレリと協力して特別に開発したものだ。
F1エディションのカラーは、セーフティカーや2021年型F1マシン『AMR21』にも使用されているアストンマーティン・レーシング・グリーンのほか、ジェットブラックとルナホワイトが用意される。クーぺとロードスターの2バージョンが生産されるF1エディションは、2021年の第4四半期より納車開始となる。
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