WEC:9月に延期のル・マン24時間、10年ぶりにテストデーがキャンセルに
3月25日、ル・マン24時間レースを主催するACOフランス西部自動車クラブは、9月に延期された第88回ル・マン24時間レースの走行スケジュールを発表。あわせて例年、本戦の2週間前に行われているテストデーの開催を見合わせるとアナウンスした。
2019/2020年シーズンのWEC世界耐久選手権最終戦として行われる今季のル・マンは、世界的な感染拡大が続く新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受け、当初予定されていた6月13〜14日の開催日程が、9月19〜20日へと延期されている。
25日にACOから出されたステートメントでは、この新たな開催日程でのイベントスケジュールが明らかにされ、9月13〜14日に車検、16〜17日にフリープラクティスと予選セッション、19〜20日に決勝レースが行われ、翌21日に再車検を実施することが確認された。その一方で毎年、サルト・サーキットで開催されてきたテストデーについては2020年はキャンセルされている。
この理由についてACOのピエール・フィヨン会長は、新型コロナウイルスの流行収束後に多くのモータースポーツイベントが再開されることが予想される2020年後半、圧縮された期間のなかで競技者にとってテストデーが「大きな負担」になるためだと説明した。
フィヨン氏によると、テストデーに参加することは通常、本戦に参加するすべてのクルマとドライバーにとって必須であったが、その再設定にはACOとしてもロジスティクスの面で課題が生じていたという。
「(仮に)決勝レースの2週間前であれば、二輪のル・マン24時間の1週間後にテストデーを行うことになっていただろう」とフィヨン氏。
「3週間以内にふたつの主要イベントを開催する時点で、我々はすでに困難に直面しており優先事項を再考する必要があった」
「結果としてテストデーを犠牲にすることになった。その代わり、レースウイーク中にマシンをテストする時間を与え、経験の浅いドライバーがサルトに慣れるためのフリープラクティスを設ける。詳細は4月にアナウンスする予定だ」
ル・マンのテストデーは1959年に初めて導入され、1974年まで毎年開催されてきた。しかし、最近ではリーマンショックに端を発した世界経済の落ち込みの影響を受け、2009年と2010年に中止となっている。
2011年には復活を果たしたものの、変則的な4月開催に。翌2012年からは毎年、レース2週間前の日曜日に実施されてきた。
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