米ツアーで戦う小平智の武器はFWキープ率3位のドライバー「クラブの長さを感じながら吊っている感覚で構える」
「クラブの長さを感じながら、少し吊っている感覚で構えるとグリップをギュッと握らなくなります。ハーフウェイダウンからインパクト、フォローまでは両腕を伸ばしたまま体を回すイメージが大切です」(写真/高橋淳司)
6年間、米PGAツアーで戦ってきた小平智の部門別データを調べると、最も成績がいいのはフェアウェイキープ率である。2023年が3位、2022年が2位、2021年が9位と3シーズン連続でトップ10に入っている。普段はレッスンをしない小平に、曲げないドライバーショットのポイントを聞いてみた。
「自分の一番の武器はドライバーだと思っています。でも、ポイントとかコツとかはありませんよ(笑)。とにかく練習するだけ。特にドライバーは、練習した成果が本番の試合で出やすいんです」
「アイアンやアプローチは芝が違ったり、傾斜があったり、ライによっても打ち方や構え方が違ってくるので、上手く行かないことが多い。でも、ドライバーはティアップして打つし、ティーイングエリアもほとんどはフラット。世界中のどんなコースに行っても練習と試合のシチュエーションが近い。だからこそ、練習の成果が出やすいんです」
「スイングで意識していることは、ヒジから先の形を変えないこと。特にインパクトゾーンでは両ヒジからシャフト、ヘッドまでが一体化している感覚で打っています。インパクト前後で手先を使うと右にも左にも曲がってしまう。手先を使わないことが一番大切です」
「よく『アドレスがハンドアップですね』と言われますが、ハンドアップに構えている意識はなくて、クラブの長さを感じながら吊っている感覚で構えているだけです。むしろ、ダウンスイングでは手元を低い位置に動かすようにしています。ドライバーに関してはシャフトを立てて上から打ち込んでしまうと手元が高くなりやすい。少しシャフトを寝かせて入れるイメージだと手元が低い位置を通り、手元の軌道もヘッド軌道も安定すると思います」
「アマチュアゴルファーは無意識に手を使ってしまう人がすごく多いと思います。本人に聞くと体で打っているつもりでも、僕らから見ると手を使っています。本当の意味で体で打つ感覚は、両手を離して素振りすると分かりやすいです」
「左手はいつものグリップポジションにして右手をシャフトを握るくらい離して素振りしてみてください。30センチ以上離して振ると、腰と肩を回すので絶対に手を使わないスイングになります」
「次の段階として、グリップの幅の中で右手と左手を離して握ってボールを打つ。いわゆるスプリットハンドグリップで練習すると、徐々に手を使わないスイングに近づいて、インパクトゾーンでヒジから先の形が変わらなくなる。あとは練習あるのみです(笑)」
取材協力/BLUE WORLD GOLF STUDIO
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