アストンマーティン、新型コロナウイルスの影響で財務状況が深刻化。2021年のF1参戦計画は維持
高級自動車メーカーのアストンマーティンは、2021年シーズンにワークスチームとしてF1に復帰する計画を崩していない。しかし会社として調達した「運転資金」は、今後12カ月間で必要となる規模には不十分だと考えている。
3月30日の夜に発表された一連の声明のなかでアストンマーティンは、レーシングポイントのチームオーナーであるローレンス・ストロールが4月20日付けで同社会長に就任することを確認した。
資金繰りが苦しくなり、深刻化する財務状況下で外部からの追加投資に頼らざるを得なくなっていたアストンマーティンは、ストロール率いる投資家集団が同社株式の20%を取得することになったと今年1月に発表していた。
だが不運なことに、新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るい出したため、アストンマーティンの販売も打撃を受け、危機を乗り切るために追加出資の要請を余儀なくされた。
全体としては、主にストロールのコンソーシアムに出資を仰いだ株主割当増資により5億3600万ポンド(約714億6000万円)を調達したほか、1億5000万ポンド(約199億9800万円)が貸付金として供給される見込みだ。
この追加資金により、現在は政府指示で操業停止中のセントアサン工場が予定どおり4月20日に再開すれば、同社の命運をかけた新型SUV車『DBX』の生産を始められる見込みだ。それでも、アストンマーチンの声明では今後への警戒が示されている。
「資金調達による受取額を考慮に入れた場合でも、当社グループの運転資金は、最初の目論見書発行から12カ月間で必要な規模には届かないというのが当社の見解だ」
「3月13日に第1回追加目論見書を発行して以降の新型コロナウイルスによる影響の増大、およびそれがもたらし続けるであろう継続的かつ数値化不能な不透明感がその理由だ」
ストロールは、アストンマーティンのF1参戦について特段の見解を示していないものの、同社がレーシングポイントと組んでグランプリに復帰する計画について変更はないと述べた。
「私とコンソーシアムの共同投資者たちは、アストンマーティン・ラゴンダの未来を心から信じている」
「それは、なにより我々が同社の財政基盤を支えるために2億6200万ポンド(約349億3000万円)を出資したことから明らかだ。これで、この非常に困難な時期にもかかわらず、私のコンソーシアムと他の株主たちによって行われる投資の額は、5億3600万ポンドという相当な規模になる」
「そしてこれが、同社の長期的な未来まで見据えた、ビジネス再構築に必要な安定性をもたらすだろう。我々には、それを実現する明確な計画がある。そこにはアストンマーティンが2021年にワークスチームとしてF1に参戦するプランも含まれる。このプログラムを実行すべく、同社の経営チームとともに働くことを楽しみにしている」
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