アストンマーティンF1がニューウェイに破格のオファーを出したとの報道。2026年以降の開発と“王者の獲得”を見据える
アストンマーティンF1は、レッドブル内部の問題を機に、チーフテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイに破格のオファーを出したと報じられている。彼らの目標は、F1史上大きく成功したデザイナーを起用してアストンマーティンの2026年型マシンの設計と開発に最大限のインプットを行えるようにすることであり、またチームオーナーのローレンス・ストロールのリストにも入っているマックス・フェルスタッペンに向けて、チームをより魅力的なものにすることだ。
フェルスタッペンは「レッドブルにとても感謝している。それは、彼らなしでは、僕のF1への道は今よりもはるかに複雑になっていただろうからだ」と主張している。しかし3度の世界チャンピオンである彼は、クリスチャン・ホーナー代表がチーム内で絶対的な権力を得ようとしていることや、彼のメンターであるモータースポーツコンサルタントのヘルムート・マルコが明らかに脇に追いやられていることに不満なのは明らかだ。
マルコがレッドブルの組織から放出された場合、フェルスタッペンはチームを離れる準備があることをすでに明らかにしているため、レッドブル社の企業プロジェクトおよび投資担当CEOのオリバー・ミンツラフは、マルコに年末までのお墨付きを与えることでフェルスタッペンをなだめようとしている。しかし、マルコの将来が不安定な状況にあること、またレッドブルのパワーユニットが2026年初頭から競争力を発揮できない可能性を懸念しているフェルスタッペンと彼のマネジメント陣は、別の場所に目を向けている。最近では、アストンマーティンが彼の代理人にアプローチし、メルセデスへの移籍に代わる選択肢を提示していることが明らかになった。
フェルスタッペンとメルセデスがパートナーとなるには、かなり多くの個人的関係が修復される必要がある。2021年の世界タイトルをフェルスタッペンが獲得した方法が、メルセデスの核心に深く突き刺さったため、厳しい言葉の応酬があった。問題はイギリスGPでのフェルスタッペンとハミルトンのクラッシュから始まり、それはイタリアGPでのクラッシュ後により激しさを増し、シーズン最終戦にはクライマックスに達した。
アストンマーティンへの移籍は、これまでのあらゆるものを持ち込むことができるうえ、ホンダのPU(パワーユニット)を搭載したニューウェイ設計による真新しいマシンでレースができる可能性があることから、フェルスタッペンが見送るにはあまりにも魅力的だ。だからこそローレンス・ストロールは、温厚なニューウェイに対し、ハミルトンとフェルスタッペンを除くF1史上最高額の報酬を出すという破格のオファーを提示する用意があるようだ。それには彼にF1チームと自動車会社両方の株式を付与することも含まれている。
アストンマーティンがレッドブルのスポンサーだった当時、ニューウェイがアストンマーティン・ヴァルキリーのブレーンだったことは覚えておく価値のあることだ。それに2026年仕様のF1シャシーの設計と開発を終えた後、将来の市販車プロジェクトに参加することは彼にとって非常に魅力的なことだ。
政治と対立を嫌うニューウェイは、レッドブル内部で起こっていることにかなり不満を持っている可能性が高い。たとえ彼が常にホーナーと親しく、マルコの干渉にうんざりしていたとしても、彼はメーカー企業の株式付きの高額のオファーと、ホンダと仕事を続ける可能性を選ぶかもしれない。ホンダのPUがパッケージングにどれほど優れているか、そして冷却の要件がいかに少ないかが分かった彼にとっては、非常に好ましい状況だ。
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