スーパーGT:LEXUS TEAM SARD 2018年第1戦岡山 レースレポート
DENSO KOBELCO SARD LC500
開幕戦岡山、最後尾から3つ順位を上げ12位フィニッシュ
SUPER GT 第1戦岡山レポート
2018 SUPER GT 第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』(4/7-8)
岡山国際サーキット(1周3.703km)
入場者数:予選1万0700名、決勝1万7700名 合計28,400名
4月8日(日)、シリーズ開幕戦となるSUPER GT第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』の決勝が行われ、クラス最後尾からの挽回を期して15番グリッドから勇猛果敢に攻めていったDENSO KOBELCO SARD LC500は、スタートを担当したヘイキが積極的に仕掛けていき超接近バトルを展開。
オープニングで2つ順位を上げると9周目には12位にポジションアップ。その後ペナルティ車両で2つ順位を上げると12号車との攻防を繰り広げ26周目に攻略して9位にまで浮上した。さらに前を追いかけ続け8位に浮上して36周目にピットイン。
素早いピットワークで1台をかわし交代した可夢偉も7位から連なる一塊となった中位集団の中で激しい順位争いを展開した。思いのほかの一層の低温コンディションとなっていくレース後半で集団の中で遅いクルマに行く手を阻まれ順位を落とすも一進一退の攻防で順位を1つ戻す。
一気に4つポジションアップ可能な戦況で7位浮上のチャンスを後方から狙うもチェッカー。DENSO KOBELCO SARD LC500は、予選から3つ順位を上げる12位でのフィニッシュとなった。
ドライバーポイントは獲得ならず、チームポイントでは3点を獲得した。次戦は、可夢偉がWECスパ大会のため欠場でTDPドライバーの坪井翔選手が代わって出場する第2戦はゴールデンウィーク中の5月3日(木・憲法記念日)・4日(金・みどりの日)に富士スピードウェイで開催される。
春の訪れを感じさせる暖かい日差しとサクラが満開に咲ききった中、待ちに待った2018年シーズンが開幕。新コンビとなるヘイキ・コバライネンと小林可夢偉の初陣となる第1戦岡山。2月に行われたオフシーズンテスト、3月に当地で行われた岡山GTA公式テストや富士GTA公式テストなど精力的にテストを重ねてきたがアクシデントも伴い、これまでにない苦難に満ちたシーズン出だしとなっているDENSO KOBELCO SARD LC500。
チームの布陣は、新コンビのドライバーに加えエントラント代表が才木祐二、総監督として株式会社サード代表取締役社長の佐藤勝之が務め、チーフエンジニアは田中耕太郎、データエンジニアに松田久が務める陣容。
テストからレースまでの短いインターバルでこれまでテストで起きた現象とデータ解析から更なる向上を狙って様々な対策を練って岡山に乗り込む。
心機一転、挑戦者として臨む開幕戦の舞台は、岡山県東部の山間部・美作市にある岡山国際サーキット。開幕戦はハンディウェイトが各車ともゼロ、公式予選は両ドライバーが1回ずつアタックするノックアウト方式(Q1とQ2)でグリッドが決まり、決勝は300kmでピットストップは1回となる。
岡山はかつてF1も開催されたことがある国内有数のテクニカルコースであり、約3.7kmと距離が短いながらも至る所にパッシングポイントがあり、ボディを擦り合わせながら繰り広げられる激しい超接近戦がコースサイドすぐそばで見られ、迫力満点の臨場感が体感できるサーキットである。新たなる挑戦の一歩となる2018年シーズン開幕戦に逆境の中、新コンビが勇猛果敢に勝利を狙っていった。
7日(土)午前中の公式練習走行は、雨が上がっていたが曇天で気温8度/路面温度10度と冬に逆戻りしたかのような寒さのコンディション。9時から混走セッションが開始され、まだウェットパッチが残っていたのでウェット宣言が出されていた。
今季で4シーズン目となるヘイキが駆るDENSO KOBECLCO LC500が路面の乾き具合を見てコースイン。ハード系のドライタイヤの温まり状況を確認しながら12周を走行し上位タイムを刻む。クルマのセットはテスト時からて改善されており、次にソフト系のタイヤを装着してパフォーマンスをチェック。
このアウティングで2回も赤旗中断となり、またトラフィックもありタイムアップはすることは無かったがフィーリング的には上々。トータル25周をヘイキがドライブした後、可夢偉がヘイキの装着したソフト系ユーズドタイヤを装着してクルマとタイヤのフィーリングの確認を実施した。
可夢偉がハード系のニューのドライタイヤを確認しようとコースインをした後に降雨となってしまったのでピットに戻すこととなった。トータル34周にわたって混走セッションでのクルマの仕上がり具合を精力的に確認した。
この混走セッションでは1分19秒888の4番手タイムをマークした。その後のフルウェットとなってしまった10分間のGT500単独セッションでは、可夢偉ウェットタイヤ2種類を確認して評価を行った。公式練習走行ではトータル41周を走行。
サーキットサファリではピットシミュレーションを間に入れながら燃料を積んだ状態でのクルマのバランスチェックをチェック。公式練習走行全体ではヘイキがマークした1分18秒888の4番手タイムでQ1への準備を終えた。
■Q1:ヘイキがまさかのQ1突破ならず
7日(土)雨は上がっていたが、どんよりした雲が覆い尽くし、いつ雨が降り出してもおかしくない空模様。気温9度/路面温度15度と冷えた難しいコンディションとなったQ1。雨がQ1セッション終わり頃に強く降るという気象予報で、いつもよりも早めのコースインとなったヘイキ。
公式練習走行の結果とこの寒いコンディション、天候の推移を見ながらソフト系タイヤを選択して臨んだQ1。ソフト系でもタイヤの温まりに時間がかかる低温のコンディション。タイヤを痛めないように慎重にタイミングを図って徐々にペースを上げていったヘイキだが、丁度ベストタイムを刻むのに良い周に別のクルマに詰まってしまう不運。
各車セクタータイムが更新されていく中、ギャップを空けてクールダウンラップの後に再び8周目に全身全霊を尽くしてラストチャンスのアタックに入ったヘイキはセクター1で自己ベストを更新。セクター2もほぼ自己ベストペースで駆け抜けたが既にタイヤのピークが来てしまう。
T9パイパーコーナー出口で僅かにリアが出てしまいタイムロス。セクター3も自己ベストを更新していったがベストラップ更新とはならず。まさかのQ1突破ならずの15位となった。
■ウォームアップ走行
8日(日)スタート直前の20分間のウォームアップ走行は、気温11度/路面温度22度と寒さの残る晴れでドライコンディションの中、まずスタートドライバーを努めるヘイキがコースイン。
決勝セットの確認と2ndスティント用タイヤのベディングなどを実施。7周を終えピットワークのシミュレーションを兼ねてピットイン。その後、可夢偉が6周の確認走行をして決勝への準備を終えた。
■決勝スタート
第1スティント:攻めの走りでヘイキが8位浮上
8日(日)14時40分決勝スタート時点は気温11度/路面温度22度の曇り。勇猛果敢にクラス最後尾の15番グリッドからの追い上げを狙っていったヘイキが駆るDENSO KOBELCO SARD LC500は序盤から積極的に仕掛けていき超接近バトルを展開。
オープニングで36号車と16号車をかわして2つ順位を上げると9周目には64号車をオーバーテイクして12位にポジションアップ。その後ペナルティ車両(24号車23号車)があり、2つ順位を上げると12号車との攻防を繰り広げた。26周目に12号車の隙を突いて攻略。9位にまで浮上した。
さらに前を追いかけ続け38号車のピットインで8位に浮上。プッシュを続けたヘイキを36周目にピットへ呼び戻した。
第2スティント:可夢偉が一進一退の攻防
約42秒ほどの素早いピットワークとドライバーの走りで1つ前を走っていた38号車をかわしてコースに復帰するチームワークを見せる。交代した可夢偉も7位から連なる一塊となった中位集団の中で激しい順位争いを展開していった。
思いのほかの一層の低温コンディションとなっていくレース後半に差し掛かると集団の中で遅いクルマに行く手を阻まれ順位を一時譲ってしまうも、一進一退の攻防で順位を1つ取り戻す。一気に4つポジションアップ可能な戦況で7位浮上のチャンスを後方から虎視眈々と狙っていったが、あと一歩及ばずチェッカー。
DENSO KOBELCO SARD LC500は、今季の初戦を予選から3つ順位を上げる12位でのフィニッシュとなった。
ドライバーポイントは獲得ならず、チームポイントでは3点を獲得した。次戦、可夢偉がWECスパ大会のため欠場でTDPドライバーの坪井翔選手が代わって出場する第2戦はゴールデンウィーク中の5月3日(木・憲法記念日)・4日(金・みどりの日)に富士スピードウェイで開催される。
ヘイキ・コバライネン
「公式練習走行でまずまずのタイムで、セットアップがこのレースウイークでも進化していただけにQ1の結果は自分自身とても悔しい。決勝ではビックリする渋滞でGT300クラスのマシンをパスするのが難しかったね」
「ペース的にはまだ満足できていないし、ライバル勢はとても手強かった。しばらくはこのような僅差の争いが続いて少しの事で順位が変わってしまう戦況となるだろうけど頑張っていくよ。常に進化は必要だし努力を惜しまない。鈴鹿のGTA公式テストでセットアップを進めて次の富士ではファンの喜ぶ顔を見られるようにしたいね」
小林可夢偉
「厳しい開幕となりました。自分の担当したスティントではかなりの周回数をペースが遅いクルマにつきあわされたので、その間のタイムのロスがなければあとひとつやふたつ順位が変わったかもしれませんが、これが現在の立ち位置だと受け止めています」
「LC500のポテンシャルは他のレクサスチームが証明していますので、とにかくヘイキとチームと力を合わせて僕たちもできるだけ早く戦えるクルマに仕上げたいと思っています。幸いすぐに鈴鹿GTA公式テストがあるので、そこで細かい所まで見直して出遅れを取り戻したいですね。引き続きのご声援よろしくお願いいたします」
佐藤勝之
「厳しい結果のスタートとなりましたが、強さと速さに繋かる数多くのことを得られました。新コンビの力を余すことなく、躍動する走りに活かせる様に一層努力を惜しまず、突き進んでいくチーム環境造りに引き続き努めていきたいと考えます」
「開幕戦での皆様の温かいご声援に感謝申し上げます。次の富士戦で皆様の期待に応えるべく切磋琢磨を続けていきたいと思います」
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