水原氏の壮大な裏切りに計り知れない衝撃 大谷翔平の支えになった真美子夫人ら“愛すべき存在”「すごくいてくれてよかった」
騒動の渦中にあった大谷。彼の支えになったのは愛すべき家族の存在だった。(C)Getty Images
違法賭博の生々しい実態が明確になり、あらためて世間が騒然となった。波紋を呼んだのは、去る3月20日に明るみになったドジャースに所属する大谷翔平の専属通訳を務めていた水原一平氏が、同選手の資金を利用し、違法なスポーツ賭博に関与していたという問題だ。
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現地時間4月11日、米連邦捜査局は記者会見を実施し、大谷翔平(ドジャース)の元専属通訳であった水原一平氏を、「銀行詐欺罪」で起訴したと正式に発表した。
文字通り桁違いの規模であった。検察の告訴状によると、水原氏が大谷の銀行口座から違法賭博のブックメーカーに送金していた額は1600万ドル(約24億5000万円)。当初に報じられていた450万ドル(約6億8000万円)を大幅に超える金額を盗用していたと判明した。
2021年の12月から今年1月までの約2年間で1万9000回もの賭博を行なっていたという水原氏。同時期は大谷にとって激動のタイミングでもあった。プレー面では2度のMVP(21年、23年)に輝いたほか、ドジャースとプロスポーツ史上最高額となる10年7億ドル(約1015億円)の超大型契約を締結。一方で右肘靭帯を痛め、キャリアを占う手術を執行していた。
そんななかで大谷は水原氏を「一番お世話になった」と表現。もはや両者の関係性は一介の通訳を越え、「盟友」と呼べるほどに達していたように見えた。少なくともお茶の間の人々の目にはそう映っていたはずだ。だからこそ、名通訳とされた男が実行していた“裏切り行為”に対するスーパースターのショックがいかほどのものだったのかは計り知れない。
実際、レギュラーシーズンに入ってからも大谷の下には捜査のメスが入っていたという。11日の記者会見で「この件に関して、オオタニは被害者であると強調したい」と語ったカリフォルニア州中部地区連邦検事のE・マーティン・エストラーダ氏は、米紙『Los Angeles Times』で「オオタニは完全かつ全面的に(捜査に)協力してくれた」と回答。捜査のために、自身のパソコンや携帯といったデバイスを全て提出したとも伝えられている。
さらに検察の告訴状では、今季第1号を放った今月3日(現地時間)にも事情聴取に応じたという。そうした背景を考えても大谷の心労が尽きなかったはず。それだけに彼が語った家族への想いには重みがある。
大谷は今月8日(現地時間)のツインズ戦を前に行われた取材対応の場で、「野球をやるときに特にそういうこと(スキャンダル)は考えていないですし、変な話、やってきた技術だったりとかっていうのは、基本的には変わらないと思う。それをまず信じて、グラウンドの中で100%表現するっていうのは僕の仕事」と強調。そして、真美子夫人、そして愛犬デコピンという家族の支えについて語った。
「基本的な生活のリズムまでも変わってないです。今日もそうでしたけど、ギリギリまで寝て来る感じなので基本的にはあんまり変わってないですけど、ちょっとここ数週間いろいろあったので、隣に誰かいるかどうかはだいぶ違うと思いますし、そういう意味ではすごくいてくれてよかったなと思うときはあったかなと思います」
水原氏の騒動が明るみになって間もない先月25日の声明発表会見で大谷は「正直ショックという言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の、うまく言葉では表せないような感覚で1週間過ごしてきた」と語っていた。
それだけに「隣に誰かいるかどうかはだいぶ違う」という言葉は心の底から湧き出たものではないか。いずれにしても、激動の数か月を送ってきた彼にとって、その存在が、折れかけたであろうメンタルの支えになったのは間違いない。
今回の米連邦捜査局の発表で大谷の潔白は立証されたと言えるだけに、このスキャンダルも一応の終結を見るだろう。そうしたなかで今後は4月12日(現地時間)にロサンゼルスの連邦地方裁判所に出向く予定だとされている水原氏がいかなる証言をするかが注目を集めそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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