佐藤琢磨がインディ500テストに参加も、雨天中止で消化不良に「チェックだけで終わってしまった」
4月10日と11日の二日間にかけて、インディアナポリス・モーター・スピードウェイにて2024年の第108回インディアナポリス500マイルレース(インディ500)に向けたオープンテストが実施された。しかし、一日目の午後から雨が降り続き、最終的に二日目はキャンセルとなった。
今年で15回目のインディ500出場となる佐藤琢磨も、この日は古巣レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)に戻ってから最初の走行となった。
2023年はチップ・ガナッシ・レーシングからテキサス、アイオワ、ゲートウェイも含めたオーバルレースのみの出場であったが、今年はこのインディ500のみのインディカー参戦だ。
今回のテストにはルーキーやインディ500復帰となるドライバーも含めて、全34台がテストに参加。そのなかには、NASCARドライバーであるカイル・ラーソンの顔もあった。
RLLへの復帰が決まったあと、チームのエンジニアやスタッフとリモートでミーティングを重ねていた琢磨は、3月下旬に渡米しシートフィッティングを行った。その際には、ふたたびタッグを組むことになったエンジニアのエディ・ジョーンズともしっかりとミーティングをしたという。
その後、3月30日のABB FIAフォーミュラE世界選手権第5戦東京E-Prixでのゲスト解説や、4月7日のF1世界選手権日本GPでのイベント出演もあり、日本で忙しい二週間を過ごした。その後再度渡米し、今回のオープンテストに参加した。
日本とアメリカを行き来する目まぐるしいスケジュールのなかで、わずか二日間しかないテスト日程だったが、天候はあいにくの雨予報。最終的にインディカー側は、雨天の影響を考慮して最初のセッションを1時間前倒しで開始した。
走行開始前には伝統のボルグワーナートロフィーと、インディ500優勝経験者の記念撮影も行われた。今年インディ500に出場するドライバーのなかで、優勝経験者は8名おり、そのなかで複数回優勝をあげているのはエリオ・カストロネベス(4回)と琢磨(2回)のふたりだけ。琢磨は堂々とトロフィーの横に並ぶと笑顔で写真に収まった。
朝9時に走行開始となると一斉にマシンがコースインを開始した。琢磨も少し遅れてカーナンバー75をつけたマシンに乗り込みコースイン。シェイクダウンとなるため各部のチェックを入念に行った。
このマシンは2023年にRLLでキャサリン・レッグがドライブしたもので、再度入念に組み上げられている。75号車のストラテジスト(琢磨と直接無線で話す役割)はリカルド・ノートで、チームではベテランの域に入るメンバーだ。またメカニックも、RLL4台目となる琢磨のマシンにはIMSAチームからのサポートもいる混成だが、そのなかには琢磨が2012年に在籍していたころからのベテランメカもいる。
走行開始から徐々にスピードを上げていった琢磨。まもなく平均スピードも220マイルに届き、周回を重ねていった。
2時間のセッション1が終わろうとする頃、ダウンフォースを減らしてペースを上げようとしていた矢先にタイムアップとなり、最初のプラクティスでは15周を走行し、14周目に221.834マイル(時速357キロ)をマークして18番手となっていた。
その次には、インディ500復帰ドライバーとルーキーのセッションがあり、その後13時からテストが再開。ここまで雨は落ちずにいたが、レーダーで雲の動きを見れば間もなく雨が落ちてくるのは明らかだった。
迎えた2回目のプラクティスでは、開始早々に各マシンがコースインして行くが琢磨はコクピットで待機を選択し、コースインのタイミングを待っていた。
「予選セッティングに近い状態で走りたかったので、コースが空くのを待っていた」というが、各マシンは走行を眺めながらじっと待っている間に、無情にも雨が落ち始めた。琢磨はコースインすることなくマシンを降り、天候は回復の見込みもなく18時30分まで予定されていたセッションは早々にキャンセルが決まった。初日の総合結果は23番手だ。
「やりたいことは山ほどあったのに、マシンの走行チェックとチームのオペレーションのチェックをしただけで終わってしまった状態。チームは昨年予選で厳しい思いをしたから、予選セッティングを確かめたかったというのも一理あるし、チームメイトのグラハム・レイホールやクリスチャン・ルンガーとセッティングの方向性も違うので、今日の走行データを良く見てみたいですね」
「明日も雨なので絶望的だけど、この後にはシミュレーターにも乗る予定だし、インディ500に向けてできる準備はしっかりとしていきたい」と琢磨は語る。
そして琢磨の言う通り、テストは翌二日目も朝から雨となったことで早々にキャンセルがアナウンスされた。テスト中止となった琢磨はプランを変更し、2023年に新しくできたチームのショップに戻って、エンジニアとミーティングに入っていた。
2023年の覇者であるジョゼフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は、228.811マイル(時速368キロ)で総合トップタイムをマークして連覇への好調を披露、NASCARドライバーのカイル・ラーソンも総合2番手と順調に経験を積んでいる。話題豊富な2024年のインディ500で、ベテランの琢磨はどんな活躍を見せるのか。決勝は5月26日に開催される予定だ。
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