【ヤングスター列伝⑨】左足の創造性はピカイチ…“ぺリコ”が愛する若きヒーロー
サッカーキング2019年4月25日(木)22時5分
オスカル・メレンドは、エスパニョールの未来を担う逸材だ [写真]=Getty Images
経験の少ない若者が、大きな舞台でいきなりセンセーショナルなプレーを見せるのは非常に難しい。その点でいえば、エスパニョールのオスカル・メレンドは“凡庸な若手”の枠をはみ出した存在であると言えるだろう。2017-18シーズンのコパ・デル・レイ準々決勝1st legバルセロナ戦で決めた劇的なゴールは、彼が特別な才能を持った選手だということを示していた。
名前:オスカル・メレンド(Oscar Melendo)
誕生日:1997年8月23日
年齢:21歳
身長/体重:167cm/65kg
主なポジション:アタッキングミッドフィルダー
リーグ成績:27試合出場0ゴール4アシスト
■“ぺリコ”の期待を背負う若きレフティー
メレンドの体内には、幼少の頃から青と白の血が流れ続けている。カタルーニャ州バルセロナ県バルセロナで生を受けると、6歳の時にエスパニョールの下部組織に入団。各カテゴリーで高い評価を得て、2016年6月にはBチーム昇格を勝ち取る。
2016-17シーズンには、トップチームデビューも果たす。11月20日のアラベス戦、当時の指揮官キケ・サンチェス・フローレスは、63分にメレンドをピッチに送り出した。そして、左利きのカンテラーノは上々のプレーでチームの勝利に貢献してみせたのだ。
「クラブ生え抜きのニュースターが誕生した!」。“ぺリコ”(エスパニョールサポーターの愛称)の期待が大いに高まるなか、メレンドの快進撃はさらに続く。翌2017-18シーズン、重圧のかかる舞台でメレンドは大仕事をやってのけた。
■「バルセロナダービー」でプロ初ゴールを記録
2017-18シーズンのコパ・デル・レイ準々決勝は、いつにない緊張感に包まれていた。同じ街を本拠地とするエスパニョールとバルサが準決勝進出を懸けて争うことになったからだ。
1st legは2018年1月17日、エスパニョールのホームスタジアム『エスタディ・コルネリャ=エル・プラット』で行われた。ベンチスタートとなったメレンドだったが、75分に出番が訪れる。ハビ・フエゴに代わって試合に入ると、中盤でパスを配給しつつ、機を見てゴール前に飛び出していく。
スコアレスで試合が終わろうかという88分、右サイドをマルク・ナバーロが突破すると、メレンドは迷いなくバイタルエリアに向けてダッシュを開始。自らにマークが付いていないと見るや、両手を挙げてボールを呼び込む。そして、ナバーロのマイナス方向への折り返しを左足で合わせ、ゴール左隅に流し込んだ。その瞬間、怒号のようなぺリコの歓声が、スタジアム全体にこだました。
■21歳にしてチームの主軸…ポリバレント性と左足の創造性は必見
2nd legでバルサに逆転を許し、エスパニョールはコパ・デル・レイ準決勝に進むことができなかった。しかし、ライバルを追い詰めるゴールを決めたメレンドは、一躍クラブのヒーローになった。
「あれは本当に特別な夜だった。ライバルであるバルサからゴールを奪ったんだからね。ユニフォームは誰とも交換したくなかったよ」
スペインのラジオ局『オンダセロ』でエスパニョール愛を強調した21歳の若者は、今や完全にチームの主軸となっている。右足でのプレー精度やゴール前での決定力など、改善すべきポイントはいくつかあるが、今のエスパニョールの攻撃はメレンド抜きには完遂しないと言っていいほど、この男の存在感は高まっている。中盤センターでも右ウイングでもプレーできる多様性と左足の創造性は、一見の価値がある。
文=松本武水
写真=Getty Images
名前:オスカル・メレンド(Oscar Melendo)
誕生日:1997年8月23日
年齢:21歳
身長/体重:167cm/65kg
主なポジション:アタッキングミッドフィルダー
リーグ成績:27試合出場0ゴール4アシスト
■“ぺリコ”の期待を背負う若きレフティー
メレンドの体内には、幼少の頃から青と白の血が流れ続けている。カタルーニャ州バルセロナ県バルセロナで生を受けると、6歳の時にエスパニョールの下部組織に入団。各カテゴリーで高い評価を得て、2016年6月にはBチーム昇格を勝ち取る。
2016-17シーズンには、トップチームデビューも果たす。11月20日のアラベス戦、当時の指揮官キケ・サンチェス・フローレスは、63分にメレンドをピッチに送り出した。そして、左利きのカンテラーノは上々のプレーでチームの勝利に貢献してみせたのだ。
「クラブ生え抜きのニュースターが誕生した!」。“ぺリコ”(エスパニョールサポーターの愛称)の期待が大いに高まるなか、メレンドの快進撃はさらに続く。翌2017-18シーズン、重圧のかかる舞台でメレンドは大仕事をやってのけた。
■「バルセロナダービー」でプロ初ゴールを記録
2017-18シーズンのコパ・デル・レイ準々決勝は、いつにない緊張感に包まれていた。同じ街を本拠地とするエスパニョールとバルサが準決勝進出を懸けて争うことになったからだ。
1st legは2018年1月17日、エスパニョールのホームスタジアム『エスタディ・コルネリャ=エル・プラット』で行われた。ベンチスタートとなったメレンドだったが、75分に出番が訪れる。ハビ・フエゴに代わって試合に入ると、中盤でパスを配給しつつ、機を見てゴール前に飛び出していく。
スコアレスで試合が終わろうかという88分、右サイドをマルク・ナバーロが突破すると、メレンドは迷いなくバイタルエリアに向けてダッシュを開始。自らにマークが付いていないと見るや、両手を挙げてボールを呼び込む。そして、ナバーロのマイナス方向への折り返しを左足で合わせ、ゴール左隅に流し込んだ。その瞬間、怒号のようなぺリコの歓声が、スタジアム全体にこだました。
■21歳にしてチームの主軸…ポリバレント性と左足の創造性は必見
2nd legでバルサに逆転を許し、エスパニョールはコパ・デル・レイ準決勝に進むことができなかった。しかし、ライバルを追い詰めるゴールを決めたメレンドは、一躍クラブのヒーローになった。
「あれは本当に特別な夜だった。ライバルであるバルサからゴールを奪ったんだからね。ユニフォームは誰とも交換したくなかったよ」
スペインのラジオ局『オンダセロ』でエスパニョール愛を強調した21歳の若者は、今や完全にチームの主軸となっている。右足でのプレー精度やゴール前での決定力など、改善すべきポイントはいくつかあるが、今のエスパニョールの攻撃はメレンド抜きには完遂しないと言っていいほど、この男の存在感は高まっている。中盤センターでも右ウイングでもプレーできる多様性と左足の創造性は、一見の価値がある。
文=松本武水
写真=Getty Images
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