ThreeBond Racing 全日本F3選手権第1ラウンド鈴鹿 レースレポート
Round1/Round2
4月21日(土)/4月22日(日)
鈴鹿サーキット
4月21日〜22日、全日本F3選手権第1大会(第1戦、第2戦)が、三重県・鈴鹿サーキットで開催された。ThreeBond Racingは、ドライバーに笹原右京を起用し昨年に引き続いてシリーズに参戦した。笹原は昨年、HONDA Formula Dream Project(HFDP)の一員としてFIA-F4選手権シリーズを戦い、3勝してシリーズランキング2位という成績を残している。また一昨年にはThreeBond RacingからF3ヨーロピアン選手権第7戦、第9戦にスポット参戦した経験もある。チーム監督に足立守、エンジニアに伊与木仁、スーパーバイザーに道上龍、使用エンジンはThreeBond TB14F3という体制は昨年と同じだが、車両は昨年のダラーラF314に替えて最新のダラーラF318を投入した。
公式予選
4月20日(金)に行われた占有走行で、笹原は参加15台中3番手のタイムを記録、21日(土)午前11時35分からの公式予選に臨んだ。30分のセッションで記録したベストラップタイムで第1戦、セカンドベストラップタイムで第2戦のスターティンググリッドが決まる。笹原は1セット目のタイヤを慎重にウォームアップしてタイムアタックにかかった。
当日は気温および路面温度が高く、タイヤへの負担も高いためアタックのチャンスは1周しかない。しかし走り出した笹原は前日と異なる車両の動き方に戸惑ったうえ、トラフィックに進路を阻まれてしまい、記録したタイムはセッション前半4番手にとどまった。予選前にスーパーフォーミュラ車両が走行しており路面コンディションが変化していたことが原因だと思われた。
一旦ピットへ戻った笹原は2セット目のタイヤを装着、セッション終了8分前にコースイン、2回目のタイムアタックを行った。笹原のベストタイムは1分52秒616、セカンドタイムは1分52秒793。この結果、第1戦のスターティンググリッドは5番手、第2戦のスターティンググリッドは4番手と決まった。
第1戦 決勝
4月22日(日)、午前9時45分から12周で第1戦決勝レースが行われた。笹原はスターティンググリッドでの順位を守り5番手で第1コーナーへ飛び込みレースを始めると、オープニングラップのうちに前方を走る#35号車との間隔を詰め、4周目にはテール・トゥ・ノーズに持ち込んだ。
4周目のシケインで、35号車のインに飛び込み4番手へ進出した笹原は、立ち上がりからストレートでの攻防で後続車両からわずかに追突されたがそのまま後続車両を引き離し前方を走る3車を追いかけ始めた。
当初タイヤの内圧セッティングが低く、思うようにはペースが上げらなかった笹原だが、タイヤが温まってグリップが上がった中盤から本来のペースに乗った。笹原とは逆に、先行車はタイヤが消耗してペースが上がらなくなっていたため追い上げが始まったがすでに間隔は開いており、3番手には届かないまま12周のレースは終わった。
「予選でもう少し前に行けたと思う。ラップタイムで見れば前を走っていた選手と同等でしたから残念でした」と伊与木。4位に入賞した笹原とThreeBond Racingは、それぞれシリーズポイント3点を獲得した。
第2戦 決勝
4月22日(日)、メインイベントのスーパーフォーミュラ決勝レースが終わった後の午後4時30分から17周で第2戦決勝レースが行われた。スタート合図が下された瞬間、スターティンググリッド4番手にいた笹原はクラッチミートに失敗してエンジンをストールさせてしまった。
「スーパーフォーミュラが終わった後の路面にはタイヤのラバーが乗っていて非常にグリップの高い状態になっています。当然スターティンググリッドでも同じことで、通常よりも高い回転数でクラッチミートをする必要がありました。おそらくそのせいでいつものクラッチミートが通用しなかったのでしょう。スタート前に助言しておけばと反省しています」とエンジニアの伊与木。
スターティンググリッド上で走り出せない笹原はエンジンを再始動、ほぼ最後尾まで順位を落としてレースを始めた。1周目を15台中14番手で終えた笹原は追い上げにかかり、2周目に13番手、3周目に12番手、4周目に11番手、5周目に10番手、6周目に9番手と着実にオーバーテイクを行い、順位を上げていった。
笹原のラップタイムは、レースをリードするトップ2に次ぐ3番手。(しかし現代のレーシングカーは、オーバーテイクするために前走車に接近するとダウンフォースが抜けてペースが鈍ってしまうので順位の入れ替えは非常に難しい)笹原は12周目にようやく8番手、16周目に7番手へ進出したが追い上げはここまででチェッカーフラッグを受けることになった。シリーズポイント獲得圏内の6位には目前で届かなかった。
ドライバーコメント
「事前練習で感触が良かったので楽しみにレースウイークを迎えたのですが、いざ公式予選となったらスーパーフォーミュラが走った影響か路面コンディションが変わってフィーリングが変わってしまい、安心して攻められていたところが攻められなくなってしまいました」
「自分の経験不足です。第1戦は、それでもひとつ順位を上げられてまずまずで、いろんな勉強ができたレースでした。2レース目は欲を出しすぎました。走り出してみたら第1戦よりバランスも良かったし、普通に走って3番になれる速さがあったので、本当にもったいないレースでした」
「でもオーバーテイクの際に受けるダウンフォースの影響への対処の仕方も追い上げているうちにわかってきて、どうしていけばオーバーテイクできるかという良い勉強になったのは事実です。今回学んだことを次回のレースに活かして結果を残します」
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