ル・マン24時間:ポルシェ、北米GTチームの出場を撤回。バイコレスが繰り上げ参戦へ
ポルシェは、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックのさなかにある現在の財政的、物流上の不確実性を理由にLM-GTE Proクラスへの4台体制でのワークス参戦を撤回。この内2台のエントリーを取り消し、2台体制で2020年のル・マン24時間レースに参戦することを明らかにした。
ドイツのメーカーが5月8日に確認したところでは、ポルシェが北米IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に送り込み実際にはコア・オートスポーツが走らせている2台のポルシェ911 RSRは今季のル・マンに登場しないという。
そのため、マンタイ・レーシングが運営を担いWEC世界耐久選手権にフル参戦している欧州メンバーの911 RSRのみがフランスの耐久クラシックレースにエントリーされることになった。
この件についてはポルシェモータースポーツのファクトリーチームを率いるパスカル・ズーリンデンが先週水曜日、ル・マン24時間を主催するACOフランス西部自動車クラブに通知したとされ、ポルシェの広報担当者はSportscar365に対してこれを認めている。
「(関係する)すべての人々にとって(エントリー数を)減らすのは容易な決断ではなかった。しかし、ポルシェは世界中すべての自動車メーカーと同様に困難に直面しているため、経済状況を尊重して(コストを)少し削減しなければならなかった」と、このスポークスマンは述べた。
参戦するドライバーはフルシーズンWECドライバーであるジャンマリア・ブルーニとリチャード・リエツ、現GTEチャンピオンのケビン・エストーレ、マイケル・クリステンセンとなることが予想され、ここにフレデリック・マコウィッキ、ローレンス・ファントールの2名が第3ドライバーとして加わるものと思われる。
一方、北米組2台の撤退によってIMSAを主戦場とする2015年のル・マンウイナー、アール・バンバーとニック・タンディ、その他パトリック・ピレ、マット・キャンベル、マシュー・ジャミネット、ジュリアン・アンドロウアーの計6名はル・マンでのシートを失うかたちとなった。
ポルシェの広報担当者は、今回の決定は北米チームが2020年後半に予定されているIMSAシリーズに出場するためのロジスティクスの不確実性も一因になっていると述べた。
現在、アメリカからヨーロッパへの渡航は禁止されていないが、フランスでは渡仏または帰国するすべての人を対象に14日間の強制隔離を実施している。これと同様の義務がアメリカでも導入されており、フランスで北米を拠点とするドライバーやクルーを利用した場合、コア・オートスポーツがIMSAでのGTプログラムを行う際の能力に影響を与える可能性があるのだ。
なお、ACOからまだ正式な発表は行われていないが、2台のポルシェ911 RSRがエントリーリストから姿を消したことでリザーブリストに載っていたバイコレス・レーシングチームと、アイデック・スポーツの2チームがレースに参加することが期待されている。
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