「全員が表彰台を狙える」2番手エバンスを筆頭に4台のヤリスWRCがトップ6入り/第4戦ポルトガル
WRC世界ラリー選手権第4戦ポルトガルのデイ1が5月21日に行われ、競技初日のSS1〜8を終えたTOYOTA GAZOO Racing WRTは、エルフィン・エバンスが総合2番手、セバスチャン・オジエが総合5番手につけ、カッレ・ロバンペラはチームメイトに続く6番手に。さらに、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加する勝田貴元が総合4番手となり、トヨタ・ヤリスWRCは全4台がトップ6につけている。
2020年は新型コロナウイルスの影響で大会がキャンセルされたことから2年ぶりの開催となった『ラリー・ポルトガル』。今季最初のグラベル(未舗装路)ラリーとなる今戦は前回大会と同様にマトジニョスを中心に展開され、競技初日はサービスパーク南側のアルガニル地域を中心に、8本計122.88kmのステージが行なわれた。
なお、この日は日中のサービスがない1日となり、アクシデントやトラブルに見舞われても自力による修理しかできず、また、サスペンションや駆動系パーツの交換、大幅なセッティング変更もできないなど、選手たちにとってはいつも以上に厳しいラリー初日となった。
そんなデイ1でトヨタ勢は序盤、このラリーの特徴である滑りやすい“ルーズグラベル”に苦戦。とくに先頭スタートとなったオジエと3番手走者のエバンスは不利な路面の“掃除役”となってしまい、タイムを伸ばすことができない。
しかし、午後の再走ステージでは車両の通過によって表面の砂が掃かれたこともありペースアップに成功。終盤のSS7ではオジエがベストタイムを刻み総合5番手に順位を上げている。
また、同じステージでは、アクシデントによりスロー走行をしていた前走車が巻き上げた土煙で視界を奪われ大幅にタイムを失ったエバンスに救済措置が適用され、オジエと同タイムが与えられることに。この結果、トヨタ勢最上位の総合4番手につけていたエバンスは総合2番手にポジションを上げることになった。首位との差はわずか6秒だ。
前戦はリタイアに終わったロバンペラは、チームメイトと同様に午前中のループでは苦戦を強いられたが、SS4で最速タイムを記録するなど午後には復調の兆しを見せる。最終的にはオジエと4.9秒差の総合6番手で初日のラリーを終えている。
■勝田貴元が“7冠王者”オジエを上回る総合4番手に
開幕3戦をいずれも総合6位でフィニッシュし着実にポイントを稼いでいる勝田は、今大会でも好調をキープ。SS4番手タイムを3回刻むなど安定したペースで上位を走行し、一時はトヨタ勢の最上位につけた。初日最後のSS8でも5番手タイムをマークした勝田は3番手のライバルから6.4秒差の4番手でラリー2日目を迎える。
「新しいグラベルタイヤに慣れ、正しい選択をするのは簡単ではなかった」と語るのは、総合2番手につけたエバンス。
「今朝は路面がかなり湿っていたが、ソフトタイヤの本数には限りがあった。そのためハードタイヤとミックスして装着することも多く、それもあって完全に自信を持って運転することができなかったんだ」
TOYOTA GAZOO Racing WRCのヤリ-マティ・ラトバラ代表は、初日の順位を「とても喜ぶべきもの」と評価した。
「今週の頭に雨が降ったがその後、路面はかなり乾いてしまったため、我々の出走順がかなり不利であることは分かっていた」とラトバラ。
「しかし、今は全ドライバーが優勝や表彰台を目指して戦える位置につけているので、非常に満足している」
「エルフィン(・エバンス)はとても良い戦いをし、トップにかなり近い位置にいる。セブ(セバスチャン・オジエ)は予想よりもタイムロスが少なく、カッレ(・ロバンペラ)も良いタイムを記録した」
「また、(勝田)貴元も素晴らしい1日を送ったので、明日は4台とも期待できるだろう」
その22日(土)は、サービスパークの北東に位置するカブレイラ山脈に設定された3本のSSを、日中のサービスを挟んで各2回走行する。その後サービスパークの南側、ポルトの市街地で全長3.3kmのスーパーSSが行われる予定だ。SS計7本の合計距離は165.16kmとなり今大会最長の1日に。リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は630.96kmに上る。
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