ロバンペラ強し、チーム内バトルを制し3勝目。勝田は惜しくも表彰台を逃す/WRC第4戦ポルトガル
WRC世界ラリー選手権は5月22日、2022年シーズン第4戦ポルトガルの競技最終日を迎え、デイ4のSS17〜21が行われた。前日にTOYOTA GAZOO Racing WRTのチームメイトを逆転し総合トップに躍り出たカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)との一騎打ちを制して優勝。今季3勝目を3連勝でマークしている。
今年1月にモンテカルロで開幕した“WRC新時代”の2022シーズンはフルスノーラリーの第2戦スウェーデン、ターマック(舗装路)で争われた第3戦クロアチアを経て、今季初のグラベル(未舗装路)イベントとなるポルトガルにやってきた。
ハイブリッドシステムを搭載したラリー1カーが初めて挑むグラベルラウンドはこの先、8月の第8戦フィンランドまで続く“グラベル連戦”の緒戦となる。そんな『ラリー・ポルトガル』の競技初日となった19日(木)は古都コインブラの市街地でSS1のみが行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRT所属のティエリー・ヌービルとオット・タナク(ともにヒョンデi20 Nラリー1)がワン・ツーとなった。
しかし、本格的なグラベルラリーが開始されるとトヨタ勢が速さをみせ、セバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)とセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)の“ふたりのセブ”がともにデイリタイアとなる波乱のなか、エバンスが首位、スタート順が1番手でもっとも不利な状況にあったロバンペラが総合2番手につける。
午後は雨混じりのコンディションとなった3日目に入ると、このふたりのバトルが激化。僚友を追う21歳のフィンランド人は、デイ3最後のグラベルステージとなったSS15でついにチームメイトを逆転することに成功し、自身初の3連勝に向け勢いをつけた。
トップ2台が5.7秒差で並んだ状態で迎えたラリー最終日は朝から小雨が降るコンディションに。そんななか、首位ロバンペラはオープニングのSS17でベストタイムを刻みギャップを8.4秒に拡げる。一方のエバンスもSS19で3番手タイムを記録し僚友に肉薄。その差を6.6秒に縮めるが、直後のSS20では2番手タイムを記録するもロバンペラがその上を行き両者の差は9秒ジャストとなった。
■勝田とソルドが表彰台を懸けた好バトルを披露
最終決戦の舞台はラリー・ポルトガルの名物ステージである最終SS21“ファフェ”だ。先にスタートしたエバンスは暫定4番手のタイムを記録する。対するロバンペラは前戦に引き続き抜群のスピードの披露。この“パワーステージ”で今大会8度目のステージウインを飾り、またしてもフルポイントを獲得する完勝を決めてみせた。両名の最終的なギャップは15.2秒だった。
トヨタのふたりによるトップ争いとともにラリーを盛り上げたのは勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)とダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)による3位争いだ。
デイ3に勝田が先行したこのバトルは5.7秒差で最終日に持ち越され、デイ4のSS19が終わった時点ではその差が0.8秒にまで縮まった。だが、勝田も粘りをみせSS20ではソルドを上回って2.2秒差とした。
迎えた最終パワーステージ、ここでソルドが猛チャージ。暫定トップタイムを記録し勝田にプレッシャーを与える。直後にタイム計測に入った勝田はスプリットで徐々に遅れ、最終的にライバルから4.3秒遅れでフィニッシュ。この結果、ソルドが逆転で3位表彰台を獲得し、勝田は悔しい総合4位となっている。
その勝田から18.4秒遅れの総合5位にはヌービルが入り、総合6位にタナクがつけた。Mスポーツ・フォード勢は今戦も苦戦を強いられ、ピエール-ルイ・ルーベ、クレイグ・ブリーン、アドリアン・フルモー(いずれもフォード・プーマ・ラリー1)が総合7位から9位に並ぶ結果に。総合10位には、最終ステージにクラッシュを喫したテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー2)に代わってWRC2クラス優勝を飾ったヨハン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)が入っている。
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