トヨタのエバンス、WRCポルトガルで今季初優勝。勝田貴元は自己ベストの4位
5月23日、WRC世界ラリー選手権第4戦ポルトガルの競技最終日、デイ3のSS16〜20が行われ、前日に首位に立ったTOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が2021年シーズン初優勝を飾った。
今季初めて開催されるグラベル(未舗装路)ラリーである『ラリー・ポルトガル』は初日から波乱の展開となった。デイ1の序盤はヒュンダイ勢がトップ3を占め、選手権をリードするトヨタ勢はライバルの後塵を拝する形に。
しかし、デイ1で総合2番手を走っていたティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)がクラッシュで戦線を離れ、同じく総合首位のダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)がストールによって遅れたことで、トヨタの最上位につけていたエバンスが総合2番手に浮上。ライバルの牙城を崩していく。
さらに翌22日のデイ2では、総合2番手に約22秒のギャップを築いて、首位を快走していたオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)のマシンにサスペンショントラブルが発生する。このアクシデントの影響でタナクはリタイアを強いられ、最終日を前にエバンスが総合首位に浮上した。
連日ドラマが起きるなかで迎えたラリー最終日。2番手ソルドを10.7秒リードしてこの日を迎えたウェールズ人は、オープニングからライバルを圧倒してみせる。今朝のSS16でその差を20.3秒に広げたエバンスは続くSS17、午後に行われたSS19でもトップタイムを刻み、最終ステージを前にギャップを26.2秒まで広げることに成功した。
ラリー・ポルトガル名物のジャンピングスポットで知られる“ファフェ”で行われた最終ステージでも安定した走りをみせたエバンスは、そのままトップでフィニッシュ。キャリア通算4勝目、ポルトガルでの初優勝と今シーズン初勝利を決めた。
一方、総合2番手で最終日に挑んだソルドは思うようにタイムを伸ばすことができず。SS17でステージ2番手、SS19では3番手タイムを刻んだものの、いずれのステージでもエバンスとの差は縮めるには至らず、最終的に首位と28.3秒差の総合2位でラリーを終えた。
そのソルドから約1分遅れの総合3位には選手権リーダーのオジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が入り、トヨタは今季初のグラベルラリーでワン・スリー・フィニッシュを達成している。
“7冠王者”オジエと前日に激しい4番手争いを繰り広げ、ポディウムフィニッシュも期待された勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)は、デイ3のスリッピーな路面に苦戦し大きくタイムを失ってしまう。それでも最後までラリーを戦い抜いた彼は無事にフィニッシュまでマシンを運び、総合4位で完走。WRC自己最高位を更新してみせた。
総合5位はMスポーツ・フォードのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)、同6位にWRカーで初のグラベルラリーに挑んだアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)が続き、7位にはWRC2クラスウイナーとなったエサペッカ・ラッピ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が入っている。
WRCの次戦第5戦イタリアは6月3〜6日、地中海に浮かぶサルディニア島で開催される予定だ。
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