中嶋一貴TGR-E副会長、ル・マンのテストデーで8号車をドライブへ「気持ちの準備はしています」
WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間レースは、6月10〜11日に行われる本戦に先立ち、6月4日日曜日に“テストデー”の走行セッションが行われる。公道を含む1周13km超のサルト・サーキット(ル・マン24時間サーキット)で、いよいよ1年ぶりに最新の耐久レース車両が走ることとなるが、TGR-E(トヨタGAZOOレーシング・ヨーロッパ)の副会長であり、今季はトヨタGAZOOレーシング・WECチームのテスト&リザーブドライバーも務めている中嶋一貴が、8号車GR010ハイブリッドのステアリングを握る予定であることが分かった。
2021年シーズン限りで現役ドライバーを退き、チーム、そしてTGR-Eという会社をも引っ張る存在となった一貴副会長は、周知のとおり2018、2019、2020年と3年連続でル・マン24時間レースを制覇している。
昨年テスト&リザーブドライバーを務めていたニック・デ・フリースがF1世界選手権へと活躍の場を移した今季、小林可夢偉チーム代表からのオファーもあって、一貴副会長が同ポジションを兼務することになった。すでに一貴はオフの期間や、第1戦セブリング戦後に行われたテストでも、今季仕様のGR010ハイブリッドをドライブしている。
テストデーでの走行は5周程度との情報も飛び交うなか、3日に公開車検場に現れた本人を直撃すると、「5周なのかはちょっと分からないですが、(ピットから)出たり・入ったりになると思います」という。
今年はテストデーにサポートレースのリジェ・ヨーロピアン・シリーズのセッションも組み込まれることになったことから、WECの走行時間は減少。午前10時から3時間のセッション1と、15時30分から3時間のセッション2で構成されるが、一貴は朝のセッションの走り出しで、セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組の8号車をドライブするという。なお、ブエミはフォーミュラEジャカルタ戦へ出場しているため、テストデーは不在となる。
サルト・サーキットでの初走行の走り出しとあり、路面もまだ出来上がらないなか、マシン各部のチェックなどが一貴の主な担当メニューとなりそうだ。
マネジメント業にも忙しい一貴は、テストデーの走行プログラムについては「あまり詳しくフォローしていなかったのですが」と、若干“受け身”ではあるようだが、準備はしっかりと整えている。
「リザーブドライバーなので、そういう形での走行なのだろうなと思っていましたが、気持ちの準備はしています。シミュレーターもやってきていますね」
ただし話を聞いた車検日は、可夢偉同様、BoP変更関連にまつわる対応等に忙殺されていたようで、「あまりそこに意識が及んでいない、というのが正直なところです」と一貴は苦笑い。
「ただ、そんな状況で乗るのは危ないですので、ちゃんと今日の午後から切り替えて(明日に臨もう)、と思っています」と、久々のル・マンでのドライブに向け、気を引き締めていた。
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