トヨタ2台にトラブル、オジエは痛恨のコースオフ。波乱の3日目、ロバンペラが3番手浮上/WRCイタリア
6月3日(土)、WRC世界ラリー選手権の2023年シーズン第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』はデイ3のSS8〜15が行われた。4台のトヨタGRヤリス・ラリー1を今大会に投入しているTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が前日の4番手から総合3位に浮上し、チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組も総合4位に順位を上げた。
一方、ラリーをリードしていたセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組はSS14で、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のマシンで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は、SS8走行後にデイリタイアとなっている。
ラリー・イタリア・サルディニアの競技3日目は、地中海に浮かぶサルディニア島北東部のオルビアに置かれるサービスエリアの南西エリアで、4本のステージを各2回走行するかたちで争われた。前日のデイ2に匹敵する長い一日の天候は、午前中は晴れ間も見られたものの午後は激しい降雨があり、非常に滑りやすい路面コンディションでの厳しい戦いに。
総合4番手でこのデイ3を迎えたロバンペラは、オープニングステージとなたSS8から5本目のSS12まで安定してペースを発揮し、3、4番手タイムで走行を続ける。SS13では2番手タイムを刻み、SS14ではオジエのリタイアにより総合3番手に浮上した。
デイ2最後のステージでタイヤのパンクがあり総合6番手に順位を下げていたエバンスは、午前中の2ステージをともに5番手タイムで走破。しかし、続くSS10でのウォータースプラッシュで車両にダメージを負い、1分50秒ほどのタイムを失ってしまう。その状態で続くSS11も走らなくてはならなかったため、さらに40秒程度を失うこととなったが、総合5番手のポジションを守ってサービスまでクルマを運ぶことに成功した。午後の再走ステージではチームメイトのリタイアによってひとつ順位を上げ、総合4番手でデイ3を終えている。
悔しい結果となったオジエは、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)とわずか0.1秒差の2番手でこの日を迎えると、序盤から激しい首位争いを展開。午前中の4本のステージが終了した時点で、ライバルに18.2秒差をつけてトップに立った。
しかし、午後のループ最初のSS12でウォータースプラッシュを通過した際、クルマに大きな衝撃を受けて大幅にタイムロス。その影響により、続くSS13でも遅れをとったが辛くも首位の座を維持していた。その頃、ステージでは強い雨が降り、路面の一部は泥に覆われ、水溜まりもできるなど非常に滑りやすいコンディションに変化していた。その中でSS14に臨んだオジエは、SS14の序盤の左コーナーでコースオフ。ステージに復帰することができずデイリタイアとなった。オジエはこのアクシデントについて、「ブレーキを踏んだ際に(シューズに付いた)泥で(ペダルから)足が滑ってしまった」と振り返っている。
■ウォータースプラッシュがかつてないほどの水深に
オジエと同じくデイリタイアとなった勝田は、総合5番手で迎えたSS8のウォータースプラッシュで、マシンフロント部に大きなダメージを負ってしまう。ペースダウンを余儀なくされながらなんとかSS8を走りきったが、その後の競技を続けることが難しい状況だったため、この時点で戦列を離れることとなった。なお、勝田とオジエは最終日デイ4での再出走を予定している。
「非常に難しいコンディションにより、困難な一日になってしまった」と競技3日目を振り返るのは、チーム代表のヤリ−マティ・ラトバラ。
「午前中が終了した時点で状況はかなり良かったのだが、その後天候の変化により、急激に状況が変わってしまった。これもラリーの一部だ」
「過去にもこのラリーでは雨が降ったことがあるが、今回のように毎日降るようなことはなかった。その結果、ウォータースプラッシュはかつてないほど水深が深くなり、セブ(セバスチャン・オジエ)はそのひとつで問題を少し抱えてタイムを失ったが、それでもいい位置につけていた。しかしその後、不運にも道から滑り落ちてしまったんだ。このようなコンディションでは、そのようなミスをしやすいものだ」
「その結果、カッレ(・ロバンペラ)は表彰台圏内に入り、明日もポジションを維持することができたならば、それは彼にとって非常に良いことだと思う。チームとしてはカッレとエルフィン(・エバンス)のふたりが最後まで走りきることが重要だが、パワーステージでのポイント獲得も期待したいところだ」
引き続き不安定な天気が予想される4日(日)デイ4は、サービスパークがあるオルビアを起点に島北部エリアで2本のステージを2回ずつ走行する予定。そのうち、最終ステージとなるSS19“サルディニア2”は、ステージトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが付与されるパワーステージだ。SS16〜19の合計距離は46.02km。リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は255.50kmとなっている。
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