ポルシェ、2022年PCCJ競技車両となる新型911 GT3カップの購入申し込みを開始
6月9日、ポルシェジャパンは2022年のPCCJポルシェカレラカップジャパンの競技車両に指定されるワンメイクレースカー『ポルシェ911 GT3カップ(タイプ992)』の購入申し込みを同日より開始するとアナウンスした。
昨年12月12日に発表されたこの最新レーシングカーは、2018年にデビューしたタイプ992ポルシェ911カレラをベースに開発が進められてきたワンメイクレース用マシンだ。
ヨーロッパ、アジア、北米など世界各地で開催されているポルシェカレラカップの競技車両として用いられるカップカーの7世代目となるこの車両では、従来モデルと比較して25PSの出力向上を果たし、最大出力は375kW(510PS)に。これによりラップタイムはサーキットのレイアウトに応じて1%まで短縮することが可能となった。また、合成燃料の使用が可能となっており、レース条件下でのCO2排出量を大幅に削減することもできる。
開発にあたって「時間とメンテナンスの費用を抑えながらパフォーマンスを高め、さらにアグレッシブなデザイン、より素直なハンドリング、優れた耐久性を実現すること」が目指された992型911 GT3カップカー最大の特徴が、最適化されたエアロダイナミクスと印象的な力感あふれるエクステリアだ。
外観ではカップカーに初めて採用された、ワイドなターボ仕様の軽量ボディがこれに寄与しており、新型マシンの全幅は先代のリヤ幅を28mm上回る1902mmとなっている。またホイールの前に追加された冷却用のエアインテークも特徴のひとつだ。
また、フロントアクスルも大幅にワイド化され、フレアフェンダーの追加によってフロントアクスルの寸法は1920mmに広がっている。これによりフロントに12インチ幅のリム、リヤに13インチという調和のとれたホイールとタイヤの組み合わせが可能になっている。
エアロダイナミクスの点では、大型リヤウイングを備えたリヤスポイラーと、レースに適合されたフロントエプロンの組み合わせによって大幅なダウンフォースの増加を実現した。リヤウイングを支えるステーはスワンネック型が採用され、ウイングの角度は11段階の調整が可能となっている。
ボディはアルミニウムを主体に構成される。ウインドウはすべて軽量ポリカーボネート製。ドアとエンジンフード、リヤウイングがカーボンファイバー強化プラスチック製となる一方、独特のエアアウトレットダクトとセンターエアインテークを備えたフロントフードはアルミニウム製とし、アクシデントの際のコスト削減が図られた。
コクピットはすべてのドライバーの身体に理想的にフィットするよう、人間工学を考慮した設計となっており、そのなかで採用された新しいレーシングシートは角度調整に加え2段階の高さ調整が可能となっている。再設計されたマルチファンクションステアリングホイールは911 GT3 Rから採用されているもので、ドライバーからのフィードバックを反映しイルミネーテッドスイッチが再配置された。
この他、インテリアではステアリングの奥に配置された10.3インチカラーモニターが一新された。このモニターにはレース中、ドライバーにとって重要なデータと情報が表示されるという。
前述のとおり510PSにパワーアップされたエンジンは、ドライサンプ式水冷4リットル水平対向6気筒の自然吸気エンジンだ。この高回転ユニットは8400rpmで最高出力を発揮。レブリミットは8750rpmに設定されている。最大トルクは470Nm/6150rpmだ。
6月9日より購入申込みがスタートした新型ポルシェ911 GT3カップカー。ポルシェジャパンがデリバリーするこの車両は、2022年シーズンのPCCJフル参戦が義務付けられる。
ポルシェジャパンは、新型911 GT3カップを購入を希望する場合は「今月23日(水)までにポルシェカレラカップジャパン事務局へお問い合わせの上、所定の車両購入申込書にてお申し込みください」としている。なお、販売台数に限りがあるため、希望に沿えない場合もあるとのことだ。この点はご注意願いたい。
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