トヨタ、『GRスーパースポーツ・コンセプト』をル・マンでお披露目。20年規定への対応も含み
トヨタは6月15日、ル・マン24時間が開催されているサルト・サーキットのビレッジで、2018年1月の東京オートサロンで公開した『GRスーパースポーツ・コンセプト』をヨーロッパで初公開した。
GRスーパースポーツ・コンセプトは、ル・マン24時間を中心としたWEC世界耐久選手権への参戦を通じて得られた技術や知見をもとに、新たな市販車に繋げるべく開発されたコンセプトカー。TS050ハイブリッドとほぼ同じパーツで構成され、究極のパワーと環境性能を両立した次世代のスーパースポーツカーを目指している。
この車両は1月の東京オートサロン2018で初公開されたが、TS050ハイブリッドの戦いの地であるル・マン24時間でヨーロッパで初めてお披露目された。アンベイルイベントには、TOYOTA GAZOO Racingの6人のドライバーをはじめ村田久武WECチーム代表、さらにACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長をはじめとした主催者側も訪れ、GAZOO Racing Company友山茂樹プレジデントによるアンベイルに拍手を送った。
ドライバーたちも「美しいクルマ」と口をそろえたGRスーパースポーツ・コンセプトは、オートサロンの状態から変更はないものの、気になるのは2時間ほど前にACOのプレスカンファレンスで提示された2020年からのトップカテゴリー車両のレギュレーションに、このGRスーパースポーツ・コンセプトが対応するのではないかという部分だ。
村田チーム代表は、「このセクシーなクルマが出場できればいいですが」と目の前に座るフィヨン会長に“確認”をとると、会場からはざわめきも。また、友山プレジデントは「“ハイパーカー”というコンセプトが発表されましたが、このGRスーパースポーツ・コンセプトと重なる部分は大きいですね」と語っている。
「トヨタの、TOYOTA GAZOO Racingのトップとなる車両を発表し、鍛えるには、ル・マンというのは最も適した場所だと思います」と友山プレジデント。
「実際に2020年にどういうレギュレーションになるのかはこれから詰めていくところだと思いますが、いろいろな意味でこれからもWECを盛り上げたいと思っていますし、86回の歴史を誇るル・マン24時間をトヨタが続けていくという点で、その文化を継承することのお役に立てればと思っています」
友山プレジデントが語るとおり、実際の規定は今年の11月を待たなければならないが、TS050ハイブリッドの技術を継承するクルマとして、GRスーパースポーツ・コンセプトがトヨタを代表する“ハイパーカー”となってル・マンを戦う可能性はあるのかもしれない。
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