MotoGPカタルーニャテスト:ペドロサがKTMを初走行。中上がホンダの2019年型を走らせる
MotoGP第7戦カタルーニャGPを終えた翌日の6月18日、バルセロナ-カタロニア・サーキットでMotoGPクラスのオフィシャルテストが行われ、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップタイムをマーク。テストには2018年で引退し、KTMのテストライダーに就任したダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が初めて公式の場に登場した。
シーズン2回目のオフィシャルテストを迎えたMotoGPクラス。テスト日程は1日のみで、気温30度、路面温度55度のドライコンディションという高温な気候条件のもとで行われた。
このテストでは、MotoGPクラスのオフィシャルタイヤサプライヤーであるミシュランが、レースで割り当てられていたタイヤに加え、新仕様のリヤタイヤを4つ持ち込んでいた。ミシュランが持ち込んだ4つのリヤタイヤのうち、3つは2020年に向けたタイヤで、もうひとつは第11戦オーストリアGPと第15戦タイGPでの使用を予定しているという。新仕様のタイヤは多くのライダーが好印象のコメントを残していた。
カタルーニャテストでトップタイムを記録したビニャーレスは98周を周回。最後の周にカタルーニャGPのポールポジションタイム1分39秒484を上回る1分38秒967を記録して最速となった。ヤマハはこのテストで出力特性を滑らかにすべく、新しい電子制御とエキゾーストをテストしている。ビニャーレスのチームメイトであるバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は、新型の指で操作するリヤブレーキもテストしていたようだ。
2番手は78周を周回し、76周目に1分39秒014を記録したフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)。ヤマハのサテライトチームも、ファクトリーと同じく電子制御の改善を中心に取り組んでいた。
3番手は80周を周回し、61周目に1分39秒257を記録したポイントリーダーのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)。マルケスはセッションの後半に4コーナーで転倒を喫したが、ケガはなかった。
ホンダ勢は新型のシャシーと空力パーツを持ち込み、後半戦と2020年に向けたテストに取り組んでいた。チームメイトのホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)は、新型のシャシーと空力パーツに加え、エルゴノミクス(人間工学)と新型のフロントカウルを試していたが、午前中に9コーナーで激しい転倒を喫した。転倒後、メディカルセンターでチェックを受けたが、大事には至らなかったようで、午後には転倒の痛みがあるなかで走行を再開し、65周を走り切っている。
同じくホンダ勢のカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)もカタルーニャテストでロレンソと同じ空力パーツを試していた。クラッチローのチームメイトの中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は次戦以降に向けたセットアップのテストに加え、2019年型ホンダRC213Vもテストして1分39秒555を記録。カタルーニャテストを7番手とトップ10圏内で終えた。
スズキ勢は改良型のシャシーをアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)とシルバン・ギュントーリ(チーム・スズキ・エクスター)がテスト。ドゥカティ勢はアップグレードしたシャシー、電子制御、空力パーツを試していた。なお、このテストでドゥカティ勢がカーボンシャシーをテストする場面が目撃されている。
カタルーニャテストで注目を集めていたKTMテストライダーのペドロサは51周を回り、38周目に1分41秒824を記録し25番手だった。
MotoGPクラスはカタルーニャでのテストを終え、6月28日から第8戦オランダGPがTTサーキット・アッセンで開幕する。MotoGPカタルーニャテストのタイム結果は以下の通り。
■MotoGPカタルーニャ公式テスト タイム結果(編集部集計)
Pos. | No. | Rider | Team | Motorcycle | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | M.ビニャーレス | モンスターエナジー・ヤマハMotoGP | ヤマハ | 1’38.967 |
2 | 21 | F.モルビデリ | ペトロナス・ヤマハSRT | ヤマハ | 1’39.014 |
3 | 93 | M.マルケス | レプソル・ホンダ・チーム | ホンダ | 1’39.257 |
4 | 42 | A.リンス | チーム・スズキ・エクスター | スズキ | 1’39.334 |
5 | 20 | F.クラルタラロ | ペトロナス・ヤマハSRT | ヤマハ | 1’39.428 |
6 | 63 | F.バニャイア | アルマ・プラマック・レーシング | ドゥカティ | 1’39.466 |
7 | 30 | 中上貴晶 | LCRホンダ・イデミツ | ホンダ | 1’39.555 |
8 | 36 | J.ミル | チーム・スズキ・エクスター | スズキ | 1’39.670 |
9 | 43 | J.ミラー | アルマ・プラマック・レーシング | ドゥカティ | 1’39.745 |
10 | 35 | C.クラッチロー | LCRホンダ・カストロール | ホンダ | 1’39.903 |
11 | 9 | D.ペトルッチ | ミッション・ウィノウ・ドゥカティ | ドゥカティ | 1’39.917 |
12 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ミッション・ウィノウ・ドゥカティ | ドゥカティ | 1’39.925 |
13 | 53 | T.ラバット | レアーレ・アビンティア・レーシング | ドゥカティ | 1’39.938 |
14 | 46 | V.ロッシ | モンスターエナジー・ヤマハMotoGP | ヤマハ | 1’39.968 |
15 | 5 | J.ザルコ | レッドブルKTMファクトリー・レーシング | KTM | 1’40.197 |
16 | 44 | P.エスパルガロ | レッドブルKTMファクトリー・レーシング | KTM | 1’40.201 |
17 | 99 | J.ロレンソ | レプソル・ホンダ・チーム | ホンダ | 1’40.357 |
18 | 38 | B.スミス | アプリリア・ファクトリー・レーシング | アプリリア | 1’40.564 |
19 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ | アプリリア | 1’40.606 |
20 | 88 | M.オリベイラ | レッドブルKTMテック3 | KTM | 1’40.862 |
21 | 17 | K.アブラハム | レアーレ・アビンティア・レーシング | ドゥカティ | 1’41.100 |
22 | 55 | H.シャーリン | レッドブルKTMテック3 | KTM | 1’41.162 |
23 | 50 | S.ギュントーリ | チーム・スズキ・エクスター | スズキ | 1’41.243 |
24 | 6 | S.ブラドル | Team HRC | ホンダ | 1’41.429 |
25 | 26 | D.ペドロサ | レッドブルKTMファクトリー・レーシング | KTM | 1’41.824 |
「MotoGP」をもっと詳しく
「MotoGP」のニュース
-
ヨハン・ザルコ、ホンダの試作マシンは「まだ一歩を踏み出したと言えない」/MotoGPへレステスト4月30日13時30分
-
【タイム結果】2024MotoGPヘレス公式テスト4月30日1時14分
-
優勝争いで再び激突した二人の王者。勝負に備えたバニャイアとタイヤが限界を迎えたM.マルケス/第4戦スペインGP4月29日15時15分
-
ダニ・ペドロサ、決勝では転倒もKTM RC16の「何を変える必要があるのかを考えたい」/第4戦スペインGP4月29日10時5分
-
バニャイア、前年度王者らしい走りで今季2勝目「最後のラップに余裕を持って完璧に管理できた」/第4戦スペインGP4月29日8時28分
-
【ポイントランキング】2024MotoGP第4戦スペインGP終了時点4月28日22時49分
-
バニャイア、M.マルケスとのドゥカティ対決を完全制圧。開幕戦以来の今季2勝目/第4戦スペインGP4月28日22時19分
-
【順位結果】2024MotoGP第4戦スペインGP 決勝4月28日21時45分
-
【順位結果】2024MotoGP第4戦スペインGP Moto2 決勝4月28日19時56分
-
【順位結果】2024MotoGP第4戦スペインGP Moto3 決勝4月28日18時39分
スポーツニュースランキング
-
1決勝日本戦前に…ウズベキスタン代表2選手が離脱!五輪出場決定で目標達成 FOOTBALL TRIBE
-
2大谷翔平の“資金”で豪遊三昧 水原容疑者から送金を得た胴元の行動に愕然「ミズハラが隠蔽しようとしたカネもギャンブルに消えた」 ココカラネクスト
-
3桃田賢斗、出番なく日本代表活動終了 バド男子日本は1勝3敗でマレーシアに敗れ準々決勝敗退 【トマス杯】 TBS NEWS DIG
-
4チャンカレが金沢と契約終了「信頼関係に疑問」新スタ名称は無関係と強調も… FOOTBALL TRIBE
-
5防御率「1.64」の驚愕! 山本由伸が直近6試合で“無双状態”に「自分のピッチングができるようになっている」と実感するポイントとは ココカラネクスト