強敵たちとの対戦を糧に南米の地で“初勝利”を!…冨安健洋「2試合で6失点してるので…」
サッカーキング2019年6月24日(月)19時21分
[写真]=Getty Images
「1試合目のチリ戦は先制点を取られて苦しい展開になりましたけど、ウルグアイ戦は逆に先制点を取ってという展開だった。次のエクアドル戦もやっぱり先制点が大事になってくる。それに僕ら後ろはここまで2試合で6失点してるので、それはちょっと厳しい結果。ゼロに抑えたいって気持ちは強いですね」
日本代表の守備の要・冨安健洋はここまで敵を完封できていない悔しさをにじませながら、コパ・アメリカ グループステージ最終節(エクアドル)へ闘志を燃やしている。
今回の森保ジャパンはご存知の通り、東京五輪世代(U-22)を中心に編成されている。20歳の冨安も1年後の大舞台での活躍が期待される1人だが、柴崎岳や中島翔哉らとともにA代表でも主力に名を連ねており、今回は彼らと同じ立場で若手中心のチームに招集されている。昨年10月のパナマ戦で代表初キャップを飾ってから8カ月、アジアカップでの大活躍もあり、今や彼の存在感は吉田麻也や昌子源らを凌ぐほどになったと言っても過言ではない。
森保一監督からの信頼も厚く、6月のキリンチャレンジカップでは2試合(トリニダード・トバゴ戦、エルサルバドル戦)にフル出場した。直後にブラジルへ移動し、チリ、ウルグアイという南米の強豪と中2日でタフな戦いに挑んできた。キリンチャレンジではA代表として不慣れな3バックに挑み、コパでは五輪世代がこれまであまり取り組んでこなかった4バックにチャレンジしているが、冨安はいずれのチームでも守備陣の統率役の1人として重責を担うことになった。
しかし、若き代表チームは思うようにいかなかった。初戦からいきなり大量4失点でチリに完敗。アレクシス・サンチェスやエドゥアルド・バルガスらを止められず、南米の洗礼を浴びた。
「チリは相手のサイドバックが上がってきて、サイドが厚みを持って攻撃してくることは分かっていた。そこに対して僕らが4枚で対応しきれなかった。5枚にしていればまた違った守り方もできたとは思いますけど、森保さんは4枚でどれだけ対応できるかってところを求めたと思うし、そこに僕らが応えられなかったのが結果に出たのかな」
試合後、そう語った冨安は苦渋の表情を浮かべた。それでも、つねに1つ1つのプレーを重く受け止め、前を向いて努力できるのが彼の良さ。続くウルグアイ戦に向けて「チリ戦と同じような戦いをしていたら、ウルグアイに勝つことは難しい。戦術よりもメンタル面で優位に立てるかを僕自身は求めたい」と気持ちを切り替えて、次なる戦いに挑んだ。
ウルグアイ戦で託されたのは、ルイス・スアレスとエディンソン・カバーニという世界屈指の2トップを封じることだった。日本は前半に三好康児が先制点をマークする理想的なスタートを切るも、7分後に植田直通がPKを与えてしまい、同点に追いつかれてしまった。後半に入ると三好が2点目を記録し、2度目のリードを奪う。しかし、またも7分後に今度はセットプレーからホセ・ヒメネスに得点を許してしまい、勝ち点1を奪うのが精一杯だった。勝ち点3を取れなかったショックが大きかったのか、冨安は試合後「何もできなかった…」と吐露した。
「失点に絡んだこともそうですけど、シンプルに90分通してやりたいことをやらせてもらえなかったという感じでしたね。後から映像も見ましたけど、ラインは高く保つことはできたけど、そこからボールにアタックすることができていなかった。しかも1失点目のところで(カバーニに)体をぶつけられずに競れず、後に流れてPKという形になって、僕自身ネガティブになってしまった部分がありました。よりポジティブに強気に行くことが次の課題かなと思います」
2試合で得た教訓を糧に、グループステージ最終節では真価を発揮しなければならない。エクアドルに勝利して勝ち点を4まで伸ばすことができれば、決勝トーナメント進出が決定する。冨安は“先制点”の重要性を語っていたが、日本が主導権を握るためにも、“無失点”に抑えることが求められるだろう。
ベルギーで1シーズンをフル稼働した直後にハイレベルの代表戦を4試合連続で戦い、さすがに疲労も蓄積されているはず。それでも、彼は今こそ持てる力を振り絞らなければいけない。若き代表チームを力強くリードし、南米の地で南米勢を相手に“初勝利”を挙げ、日本代表の新たな歴史の創造者になってほしい。
文=元川悦子
日本代表の守備の要・冨安健洋はここまで敵を完封できていない悔しさをにじませながら、コパ・アメリカ グループステージ最終節(エクアドル)へ闘志を燃やしている。
今回の森保ジャパンはご存知の通り、東京五輪世代(U-22)を中心に編成されている。20歳の冨安も1年後の大舞台での活躍が期待される1人だが、柴崎岳や中島翔哉らとともにA代表でも主力に名を連ねており、今回は彼らと同じ立場で若手中心のチームに招集されている。昨年10月のパナマ戦で代表初キャップを飾ってから8カ月、アジアカップでの大活躍もあり、今や彼の存在感は吉田麻也や昌子源らを凌ぐほどになったと言っても過言ではない。
森保一監督からの信頼も厚く、6月のキリンチャレンジカップでは2試合(トリニダード・トバゴ戦、エルサルバドル戦)にフル出場した。直後にブラジルへ移動し、チリ、ウルグアイという南米の強豪と中2日でタフな戦いに挑んできた。キリンチャレンジではA代表として不慣れな3バックに挑み、コパでは五輪世代がこれまであまり取り組んでこなかった4バックにチャレンジしているが、冨安はいずれのチームでも守備陣の統率役の1人として重責を担うことになった。
しかし、若き代表チームは思うようにいかなかった。初戦からいきなり大量4失点でチリに完敗。アレクシス・サンチェスやエドゥアルド・バルガスらを止められず、南米の洗礼を浴びた。
「チリは相手のサイドバックが上がってきて、サイドが厚みを持って攻撃してくることは分かっていた。そこに対して僕らが4枚で対応しきれなかった。5枚にしていればまた違った守り方もできたとは思いますけど、森保さんは4枚でどれだけ対応できるかってところを求めたと思うし、そこに僕らが応えられなかったのが結果に出たのかな」
試合後、そう語った冨安は苦渋の表情を浮かべた。それでも、つねに1つ1つのプレーを重く受け止め、前を向いて努力できるのが彼の良さ。続くウルグアイ戦に向けて「チリ戦と同じような戦いをしていたら、ウルグアイに勝つことは難しい。戦術よりもメンタル面で優位に立てるかを僕自身は求めたい」と気持ちを切り替えて、次なる戦いに挑んだ。
ウルグアイ戦で託されたのは、ルイス・スアレスとエディンソン・カバーニという世界屈指の2トップを封じることだった。日本は前半に三好康児が先制点をマークする理想的なスタートを切るも、7分後に植田直通がPKを与えてしまい、同点に追いつかれてしまった。後半に入ると三好が2点目を記録し、2度目のリードを奪う。しかし、またも7分後に今度はセットプレーからホセ・ヒメネスに得点を許してしまい、勝ち点1を奪うのが精一杯だった。勝ち点3を取れなかったショックが大きかったのか、冨安は試合後「何もできなかった…」と吐露した。
「失点に絡んだこともそうですけど、シンプルに90分通してやりたいことをやらせてもらえなかったという感じでしたね。後から映像も見ましたけど、ラインは高く保つことはできたけど、そこからボールにアタックすることができていなかった。しかも1失点目のところで(カバーニに)体をぶつけられずに競れず、後に流れてPKという形になって、僕自身ネガティブになってしまった部分がありました。よりポジティブに強気に行くことが次の課題かなと思います」
2試合で得た教訓を糧に、グループステージ最終節では真価を発揮しなければならない。エクアドルに勝利して勝ち点を4まで伸ばすことができれば、決勝トーナメント進出が決定する。冨安は“先制点”の重要性を語っていたが、日本が主導権を握るためにも、“無失点”に抑えることが求められるだろう。
ベルギーで1シーズンをフル稼働した直後にハイレベルの代表戦を4試合連続で戦い、さすがに疲労も蓄積されているはず。それでも、彼は今こそ持てる力を振り絞らなければいけない。若き代表チームを力強くリードし、南米の地で南米勢を相手に“初勝利”を挙げ、日本代表の新たな歴史の創造者になってほしい。
文=元川悦子
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