また失速が心配される佐々木朗希…要因は交流戦か、疲労か、球場か
年間通してのパフォーマンスも課題とされる佐々木朗希(C)Getty Images
春先は無双状態だったロッテ・佐々木朗希に疲れが出始めている。今季は交流戦を終え、9試合5勝2敗、防御率1.89。交流戦後のリーグ戦再開にあたり、吉井理人監督が「ちょっと、へばってきてるんでね。(登板間隔を)空けるかもしれない」と、佐々木に休養を与える方針を示した。
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令和の怪物は球数制限があり、まだ発展途上の段階にある。今季は開幕から負けなしだった5月に右手中指にできたマメの影響で登板間隔が空いた。約3週間ぶりにローテに復帰したが、交流戦3試合で1勝2敗と失速気味。3月WBCで経験のない激戦も経て、疲労が蓄積しているのは間違いない。
梅雨から夏場にかけては「鬼門」の時期でもある。昨季も4月に完全試合を達成するなど開幕5連勝と春先は好調だったが、交流戦で巨人に初黒星を喫したあたりから失速気味になり、7〜8月の約1カ月間、戦線離脱。最終的に自己最多9勝(4敗、防御率2.02)を挙げたものの規定投球回には届かず、1年を通してローテを守ることができなかった。
体力面の課題に加え、交流戦は相性が今ひとつ良くない。6月4日阪神戦では6回1安打1失点ながら、足を絡められてワンチャンスをものにされ今季初黒星。11日広島戦では日本人最速165キロを計測し、7回2失点で5勝目をマークしてやり返した。だが18日DeNA戦では、牧秀悟に適時打2本、宮崎敏郎に今季初被弾を許すなど、今季ワースト4失点で2敗目を喫した。交流戦優勝のDeNA強力打線には屈したが、セ球団に「攻略された」というほど内容は悪くない。
今季2敗は甲子園、横浜といずれも敵地。ビジターの防御率3.60に対し、ホームのZOZOマリンでは5戦4勝、防御率0.56と圧倒している。本拠地独特の強風を生かした投球でホームアドバンテージを発揮しているが、今後はビジターでの真価が問われる。
気になるのは暴投数が増え、失点に絡む場面が増えていること。昨季20試合で暴投「4」に対し、今季は9試合ですでに「6」。佐々木の決め球はフォーク。球種の特性上、すっぽ抜けることもあるが、後ろにそらさない捕手は心強い。どんな球でも止めてくれる安心感があれば、走者が三塁にいる場面でも思い切り腕を振ることができる。逆に、不安があれば、ワンバウンドさせられないと無意識に力をセーブし、低めに落としきれず失投につながるケースも考えられる。
今季、佐々木と9試合中8試合で先発マスクをかぶる佐藤都志也は攻撃力が持ち味だが、ブロック面に不安があり、課題の向上に取り組んでいる。昨季、主に佐々木とバッテリーを組んだ松川虎生は開幕後に2軍落ちし、ファームで経験を積んでいる。160キロ超の速球と落差のある高速フォークを止めるのは、プロでも至難の業。令和の怪物を最大限生かすためにはどうすればいいか。ロッテの挑戦は続いていく。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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