F1オーストリアGP FP1:王者ハミルトンが首位発進。レッドブル・ホンダ勢はフェルスタッペンが3番手
2020年F1第1戦オーストリアGPのフリー走行1回目は、メルセデスのルイス・ハミルトンがトップタイムをマークした。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは3番手、アレクサンダー・アルボンは7番手となっている。
フリー走行開始直前に中止となってしまった、3月中旬のオーストラリアGP。あれから3ヶ月半が過ぎ、仕切り直しの開幕戦がオーストリア・レッドブルリンクでついに開催された。現地時間午前11時から始まったフリー走行1回目。無観客のためスタンドが無人なのはもちろん、パドックを行き交う人影もほとんどない。
全20台のマシンが、次々にコースインして行く。気温17度、路面温度23度、曇りがちの天候でセッション中の降水確率は60%と高い。前日からの雨は上がったが、コース上はまだ完全には乾いていない。それもあってか、チェック走行後もしばらくは、多くのマシンがガレージに留まった。ピットやガレージ内で作業するメカニック、エンジニアはマスク、あるいはその上にフェイスシールドも装着している。
開始後30分ほど経って、雨がぱらつき始めた。走行を再開したセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)はインターミディエイトを装着。盛んにバイザーをグローブで拭うが、路面はそれほど濡れていない。
開始後35分、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)のレーシングポイントがセクター2で最速タイムを出した直後に白煙を吐き、急きょピットに向かった。冬のバルセロナテストで見られたメルセデス製パワーユニットの信頼性の問題は、ひょっとするとまだ解決されていないのかもしれない。対照的にチームメイトのランス・ストロールはソフトで1分6秒909の最速タイムを出していたが、コースをはみ出したことでタイム抹消。代わってハードのルイス・ハミルトン(メルセデス)が、1分6秒205で首位に立った。
ペレスは深刻な問題ではなかったようで、ほどなくコースに復帰した。ソフトでハミルトン、ベッテルに次ぐ、3番手に浮上。さらに次のタイムラップで1分6秒052の最速タイムを叩き出した。ストロールも0.02秒差で2番手に付けるものの、いずれもソフト。メルセデスやレッドブルは、ハードで淡々と周回を重ねている。
1時間が経ったところで、ソフトに履き替えたバルテリ・ボッタス(メルセデス)が1分5秒486でトップに立った。ステアリングで前輪を操作する、噂のDASシステムを使用しているのが車載カメラで確認できる。続いてハミルトンが、唯一1分4秒台に入って首位を奪い返した。雨は止み、路面はほぼドライだ。
終了20分前、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)がソフトでコースイン。しかしコース上に飛散したパーツの処理でVSC(バーチャルセーフティカー)が出たこともあって、ハミルトンから0.885秒落ちの6番手に留まった。マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)もソフトに履き替えたが、ターン1でスピン。それでも次の周回で、メルセデスのハミルトン、ボッタスに次ぐ3番手に付けた。
FP1のトップ3は、このまま確定。4番手カルロス・サインツJr.(マクラーレン)は、フェルスタッペンから0.013秒の僅差に付けた。5番手ペレス、6番手ランド・ノリス(マクラーレン)、アルボンは7番手に後退した。フェラーリはシャルル・ルクレール10番手、ベッテル12番手。アルファタウリ・ホンダ勢はミディアムに終始したこともあったが、ピエール・ガスリー16番手、ダニール・クビアト19番手だった。最下位は、ロマン・グロージャン(ハース)。セッション序盤にブレーキに問題を抱え、6周しか走れなかった。
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