「我々にはすべてが足りない」今週末はC5タイヤに苦戦、レッドブルとのタイム差には驚かず/トト・ウォルフ代表インタビュー
この週末、メルセデスはルイス・ハミルトンと新たに2年契約を結んだことを正式に発表した。しかしその直後に行われた予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に3戦連続のポールポジションを奪われてしまう。それどころかメルセデスの2台はランド・ノリス(マクラーレン)、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)にも先行され、4、5番手が精一杯だった。
予想以上の劣勢に苦しむメルセデスの現状、ハミルトンとの再契約の意味について、トト・ウォルフ代表が忌憚なく語った。
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──メルセデスは現状、どの部分でレッドブル・ホンダの速さに負けているのでしょう?
トト・ウォルフ(以下、ウォルフ):今回の予選に限れば、タイムを大きく失っているのはターン1、ターン3、ターン4だ。とはいえ、ひとつないしふたつのコーナーのタイムロスがすべての敗因だと片付けてしまうのは、間違った分析だ。要はすべての区間で、少しずつ(タイムを)失っている。
──メルセデスは車体アップデートを前戦から投入していません。それが今回の結果にも反映されていると思うのですが、今後に向けてはどのような計画ですか。今ある仕様で戦い続けるのか。あるいは新たなアップデートを投入するつもりがあるのか。
ウォルフ:私の以前の発言を誤解しているようだ。今後アップデートを投入しないとは、私は一度も言っていない。2022年車両の開発に集中するため、今季2021年車両の開発計画を終了したと言っただけでね。開発を終えたからといって、それがレースへのアップデート投入中止にはつながらないのは明らかだ。
──レッドブルリンクでの初戦では直線スピードの遅さを訴えていました。それが今回は、主にコーナリングでタイムロスしているとのこと。セットアップ変更をいろいろ試しても、成果が出ないということですか。
ウォルフ:今週末に限って言えば、(最も柔らかい)C5タイヤに手こずっている。マクラーレンのランド(・ノリス)が典型的だが、彼はこの特殊なコンパウンドに実にうまく適応しているね。対照的に我々は、まったくうまくいってない。なのでマックス(・フェルスタッペン)とのタイム差は、特にショッキングなことではない。ここまでの2日間で、いろいろ学んだこともたくさんある。とにかく我々に今足りないのは車体のパフォーマンスだけでなく、パワーユニットも含めたすべてだ。
──前戦ではジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)にニューマチックのトラブルが出て、ダニエル・リカルド(マクラーレン)もパワー低下の症状を訴えていました。それらの不具合がメルセデスにも出る恐れは?
ウォルフ:ダニエルに関してはリセットしたことで解決した。ジョージの方は、まだ報告を得ていない。
──ラッセルの予選パフォーマンスをどう見ていますか。
ウォルフ:今季はこれまでも、予選でのジョージの速さは傑出していた。レースでも速さを見せ、前戦では我々のパワーユニットのトラブルがなければポイント獲得は確実だった。そして今回は、ミディアムタイヤでQ3に進出したうえに9番グリッドを獲得した。決勝レースでも期待したような活躍をしてくれるだろう。速いだけでなく、タイヤマネージメントも抜群だからね。
──ホンダ製パワーユニットとの性能の違いは、どう認識していますか。
ウォルフ:彼らは電気エネルギーの回生能力に、非常に優れている。より多くの電気エネルギーを引き出すことができていると思う。あとはドライバビリティだね。対照的に我々は、コーナー立ち上がりでの全開加速の際に、パワーがスムーズに伸びていかないことに苦しんでいる。これがタイム的なロスだけでなく、タイヤのパフォーマンスという点でも不利を被っていると考えている。今後早急に、改善できることを望んでいる点だ。
■「今のルイスに辞めるというオプションはない」
──ハミルトンとの再契約ですが、なぜ1年や3年ではなく、2年だったのでしょう?
ウォルフ:2年じゃ、いけないかね(笑)。なぜ2年かと言えば、非常に妥当な期間だからだ。3年はあまりに長すぎるし、1年は短すぎる。来年の今頃は、もう次回の交渉を始めないといけない。新たな技術レギュレーションも導入される。なので2年が正しいと思ったわけだ。
──去年の契約交渉はかなり長引いたのに、今回はすんなり合意に達しました。なぜですか。
ウォルフ:去年は新型コロナウイルスによってシーズン中の話し合いが十分にできなかったうえに、チームの長期活動計画もしっかり定まっていなかった。今季はそれらがすべてクリアになっていたので、交渉の内容は去年のそれをコピー&ペーストする感じだった。あとは2年という期間を決めるだけだったということだ。
──ハミルトンは一時F1への情熱を失ったように見えました。それが一転して、少なくとも2023年まで現役を続けることを決断したのはなぜでしょう。
ウォルフ:ルイスはこれまで一度も、F1から去ろうと思っていない。もちろん人生にはいろいろな選択肢があるが、今のルイスに辞めるというオプションはない。今季ここまでは苦戦しているが、ルイスは我々の組織の強さに絶対的な信頼を置いている。一緒に前進していくことに疑いを抱いてないよ。
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