近本の代役・島田海吏が躍動!チームの危機で見えた岡田監督の手腕
島田は5日の広島戦で先頭打者アーチを放ち、チームを勢いづけた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
7月4日、阪神の近本光司が右肋骨骨折で離脱した。ここまで73試合に出場して、44得点、12盗塁、得点圏打率.404はリーグトップ。リードオフマンとしても、ポイントゲッターとしても活躍していた。加えて、2021〜2022年にゴールデングラブ賞を獲得したことからもわかる通り、守備での貢献度も高い。攻守のキーマンが抜けたことによるチーム内の動揺は大きいだろう。
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実際に近本を欠いた4日の広島戦では、初回に西勇輝が5失点する大乱調。打線は9安打を放つもつながらず、わずか1得点。1-9の大差で完敗した。
重苦しい空気がチーム内に漂う中、5日の試合は1番センターとして出場した島田海吏が躍動。プロ入り初ホームランとなる初回先頭打者ホームランを打ってチームに勢いをつけた。さらには、3回の先頭打者として打席に立った島田は四球で出塁。前川右京のレフト前ヒットで、レフトの西川龍馬の捕球ミスを見逃さず、快足を飛ばして2点目のホームを踏む。島田は全得点となる2点に絡み、代役という言葉が失礼に感じるほどのプレーを見せ、近本離脱のネガティブな雰囲気を吹き飛ばした。
島田の活躍の背景には今シーズンの岡田彰布監督の采配が影響している。これまで近本、中野拓夢、大山悠輔は固定で使っていたが、それ以外のポジションは競争させていた。とりわけ、外野手のレギュラー争いは熾烈で、選手の中には「二軍に降格するかもしれない」という緊張感、「いつでも試合に出られる」という戦う準備を常に意識して試合に臨んでいただろう。高いモチベーションを意識できていたからこそ、島田だけではなく、前川やミエセスといった他の外野手も出場した際には結果を残せているのではないか。
こまめに一軍と二軍を入れ替えながら、選手を流動的に使ってきた岡田監督。その采配が近本という中心選手が抜けた状況でも、大きく戦力を落とさずに戦える要因と言って良い。島田だけではなく、ここまであまり日の目を浴びてこなかった選手の活躍が今後も見られるはずだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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