レッドブル・ホンダ密着:本来の実力が発揮できなかった初日。パワーユニットの最適化が予選の鍵に/F1ドイツGP金曜
「フリー走行2回目では一番軟らかいコンパウンドでのアタックが、クリーンラップじゃなかったので、ラップを断念しないといけなかった。ここではタイヤは一発しか持たない。同じタイヤで再びアタックしたけど、グリップのピークは通り越していたんだ」
これは、F1第11戦ドイツGP初日のフリー走行2回目を終えて、5番手に終わったマックス・フェルスタッペンのコメントだ。フェルスタッペンはミディアムタイヤで7周走行した後、ソフトタイヤに履き替えてアタックに出たが、アタックラップ中に「エンジンの出力が変だ」と無線で訴え、チームからピットインするように指示を受け、アタックを断念していた。
いったい、何が起きたのか? ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは次のように説明した。
「ドライバビリティ改善のトライをしている中で、今回キャリブレーション(調整)を変えたんですが、それが想定していたよりも激しく動いたために、明らかにパワーが出ない状況が発生しました。そのため、2台ともピットインしてもらい、設定を元に戻して、再びタイムアタックしてもらいました」
問題が発覚したのが、フリー走行中に発生したため、残った時間を有効に使うため、ホンダはデータを一旦、イギリスGPのものに戻して走行を再開することにした。5分後にピットアウトしたフェルスタッペンだが、そのとき装着していたタイヤは5分前と同じソフトタイヤだっため、グリップ力はすでに落ち始めていた。
さらにフリー走行2回目のタイムは、チーム側のメニューを優先して、イギリスGPのデータで記録されたもので、必ずしも最適なものではなかった。土曜日に向けてはどのような設定で走るのがベストか、これから決めるという。
したがって、フェルスタッペンも「メルセデスやフェラーリとの差は少しあるけど、微調整すれば大丈夫だと思う。今日のタイム差より、ギャップはずっと小さいはずだから」と語っている。
15番手に終わったピエール・ガスリーのベストタイムも、同じ問題で満足のいく内容とはならなかった。さらにセッションの終盤、ロングラン中に最終コーナー出口でコントロールを失い、タイヤバリアにクラッシュして、初日を終えた。
フロントだけでなく、リヤのサスペンションも折ってしまったガスリー。幸いこの日に使用していたのはエンジンもギヤボックスもレース用のものでなかったため、土曜日に向けてはペナルティの心配はいらない。
実力が出し切れないまま、終わったドイツGP初日のレッドブル・ホンダ。土曜日の巻き返しに期待したい。
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