伝統のル・マン24時間耐久レース、2020年の無観客開催が決定
9月19日〜20日に決勝が予定されている第88回ル・マン24時間レースが、新型コロナウイルスの影響により無観客で開催されることになった。ル・マン24時間レースを主催するACO(フランス西部自動車クラブ)が8月10日、公式に発表した。
ACOのプレスリリースによれば、ACOとフランス・サルト県は「公衆衛生と安全当局に鑑みて、状況の進展が不確実なことを考慮し」満場一致でこの決定を下したという。
常設のブガッティ・サーキットと公道区間を繋ぎ合わせた「ル・マン24時間サーキット」(通称、サルト・サーキット)で開催されるル・マン24時間レースには、毎年20万人を超えるファンが世界各国から観戦に訪れる。
当初6月にスケジュールされていた2020年のル・マン24時間は、3月の時点で新型コロナウイルス感染症流行拡大の影響により、日程を短縮して9月へと延期されることが決定していた。
その後も観客数を絞って開催することなどさまざまな対策を盛り込み「有観客」での開催を模索してきたが、「出場者、パートナー、そして観客の健康を守ることは、ACOとFIAにとって常に最重要事項である」とし、無観客開催という決断に至った。
「もちろん、ファンは安全な環境からレースをフォローすることができる。新たなデジタル・プラットフォームのおかげで、レースの舞台裏で何が起こっているのかについて独占的な洞察を深めることができるだろう」とACOはプレスリリース内で述べている。
すでに観戦チケットを手にしているファンに対しては、チケットオフィスより連絡がされるという。また、取材にあたるメディアの数が大幅に絞られることも明らかにされている。
「第88回ル・マン24時間レースは、残念ながら世界でもっとも偉大な耐久レースが観戦者のいないコースで行なわれるという点において、歴史の記録に残ることになる」とACO会長、ピエール・フィヨンはコメントしている。
「限られた数ではあるものの、観客の入場を許して9月にイベントが開催できるよう、過去数週間にわたってさまざまな方法を検討してきた」
「だが、現在の状況ではフェスティバル規模のイベントを数日間にわたって開催することに制約がある。そのため、地方行政当局とともに無観客でのレース開催を選択した。健康と安全に関する不確定要素は依然多い状況である」
「この決定が、ファンを我々同様に失望させることは理解しているが、公衆衛生が危機に瀕していることを鑑みれば、難しい決断ではなかった。安全性については妥協すべきでない」
「ファンはすべてを見逃すことはない。彼らはル・マンにいないかもしれないが、我々のメディアチームとサービスプロバイダーがル・マンにお連れする。ご理解とご支援をいただければと思う」
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