WEC:母国ラウンドに臨むアストンマーチン、BoP更新を受け“復活”なるか
FIA国際自動車連盟は8月13日、WEC世界耐久選手権のLM-GTEプロクラスで採用されているBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)を更新。前戦ル・マン24時間で苦戦を強いられたアストンマーチン・バンテージAMRとフェラーリ488 GTE Evoの性能に調整が加わっている。
17日から開催される2018/19年“スーパーシーズン”第3戦シルバーストンから適用される最新BoPは、ル・マンを除いたシリーズ戦のデータを基に、AIによって自動調整されたもの。
2018年に次世代型のバンテージを用意したアストンマーチンと、488 GTEのエボモデルを投入したフェラーリはこの調整に必要な走行データの不足から開幕戦スパ・フランコルシャン、続くル・マンにおいて同じGTEプロクラスを戦うポルシェ911 RSR、フォードGTらの後塵を拝してきた。
この状況に両陣営は“オートマチックBoP”の不備を訴え再調整を求めてきたが、今回第3戦を前に更新されたBoPではGTEプロクラスのディフェンディングチャンピオンと、母国ラウンドを迎えるイギリスのマニュファクチャラーが恩恵を受けることとなった。
母国での初優勝を狙うアストンマーチンにはV8ターボエンジンの最大過給圧の緩和がエンジン回転数の全域で認められたほか、燃料搭載量が5リットル増しの110リットルまで許可された。これによって過去2戦で大幅に制限されてきたエンジンパワーの面で改善が見られることが予想される。
またフェラーリ488 GTE Evoもアストンマーチンほどではないがターボ過給圧の増加が許され、最高出力の向上が見込まれる。
GTEプロクラスと同様にBoPで各車両の性能が管理されているGTEアマクラスでは今回、数値に変更はなく6月のル・マン24時間で採用されたBoPがそのまま使われる予定だ。
ル・マン以後、約2カ月ぶりに再開されるWECスーパーシーズンの第3戦シルバーストンは8月17日(金)に計2回のフリープラクティスが実施され、翌18日(土)は3回目のプラクティスと公式予選、19日(日)に6時間の決勝レースが行なわれる。
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