2023年F1はテスト1回で3月5日に開幕の予定。南アフリカのコース改修問題で、第4戦は調整が難航
F1サマーブレイクの間も、CEOステファノ・ドメニカリをはじめとするF1上層部は、2023年カレンダー確定のための取り組みを続けている。現在抱えている問題のひとつは、第4戦としてどのグランプリを開催するかということだ。
ドメニカリは来季は24戦を開催する予定であると示唆している。開幕戦はバーレーンで3月5日に開催される予定で、プレシーズンテストは1回のみになることにチームは合意したといわれる。バーレーンでテストを行った1週間後に同地で開幕を迎えるという流れになりそうだ。
第2戦サウジアラビアGPは、チームの希望で連戦ではなく、2週間後に行われる。各チームはプレシーズンテストと開幕戦でのデータを分析してからジェッダに向かうわけだ。さらに、第3戦オーストラリアも、移動時間の問題から、連戦ではなく単独開催として4月2日に行われる。
ドメニカリが頭を悩ませているのは、4月16日をどのグランプリに割り当てるかだ。理想的には南アフリカに行き1993年以来初の開催を実現したいところだが、ふたつ問題があり、契約が完了していない。
第一に、F1の安全基準に合わせるために、キャラミのターン10には大規模な改修が必要であること。第二に、この工事に必要な費用を誰が出すのかについて合意がなされていないことだ。F1と南アフリカのプロモーターの間で、商業的な契約はまとまっているものの、誰も1000万ドル(約13億円)近い工事の費用を負担することを受け入れていない。
プロモーターはその費用を支払う余裕はないと明言しており、F1側は工事費用を負担することも、初年度開催の料金から差し引くことも望んでいない。また、地元政府には、地域というよりサーキットオーナーのメリットになるような出費を引き受けるつもりはないようだ。
ドメニカリは、南アフリカとの間で合意がなされない場合に備えて、4月16日に他のグランプリを持ってくることを検討している。まず候補となるのはカタールGPだ。カタールは、シーズン終盤に初開催のラスベガスと最終戦アブダビの近くに組み込まれて自分たちのグランプリへの注目が下がることを恐れている。しかし、F1の商業部門の人々は、シーズン序盤4戦のうち3戦を中東で行うのは、スポンサーにとってメリットがないとも考えている。
4月16日の候補としてもうひとつ考えられているのはアゼルバイジャンGPだ。しかしアゼルバイジャン側は、この時期の気温は低く、観光客を十分に集められないことを心配している。ただ、アゼルバイジャンは開催料金として1年あたり約6000万ドル(約81億円)を支払っているにもかかわらず、交渉上の立場がそれほど強くない。2023年F1カレンダーをチームに渡す数週間後までにドメニカリが南アフリカとの問題を解決できなければ、アゼルバイジャンはF1側の要請に従い、4月開催を受け入れるかもしれない。
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