【角田裕毅F1第14戦分析】リカルドがクラッシュで負傷しローソンが代役に。角田に求められるさらなる成長
サマーブレイク明けの初戦となるF1第14戦オランダGP、初日を5番手で終えた角田裕毅(アルファタウリ)に笑顔はなかった。フリー走行2回目で、チームメイトのダニエル・リカルドがクラッシュしたからだ。
単独クラッシュして走行ライン上にマシンを止めてしまったオスカー・ピアストリ(マクラーレン)のマシンを避けようとして、タイヤバリアにクラッシュしたリカルド。前方で止まっていたピアストリは、まだコクピットに座ったままで、リカルドはなんとかしてピアストリのマシンへの衝突を避けようとして、両手を最後までステアリングから離さず、タイヤバリアにクラッシュした。
このとき、角田裕毅はコース上にいたため、詳しい状況は知らなかった。セッション後に行われた囲み会見で、チームメートのことを尋ねられた角田は「リカルド選手がクラッシュしたとき、僕はコース上にいました。まだオンボード映像を見ていないので、どういう状況でクラッシュしたのかわからないですが、骨が折れていないことを祈っています」と語り、事態が私たちが思っている以上に深刻な様子だった。
それから、2時間以上経過した現地時間午後8時22分に、アルファタウリが声明を発表した。
「ザントフールトでのフリー走行2日目、ダニエル・リカルドがターン3でバリアに接触するアクシデントが発生し、リカルドは地元の病院に運ばれ、さらなる検査が行われた。X線検査の結果、左手の中手骨を骨折していることが確認され、この負傷によりレースを続行することができないため、今週末の残りはチームのリザーブドライバーであるリアム・ローソンと交代することになった。チームは彼の一日も早い回復を願っている」
リアム・ローソンは、2019年にレッドブル・ジュニアチームに加入し、その年から2年間にわたってFIA F3に参戦。2021年はハイテックGPからFIA F2に参戦してランキング9位となり、2022年はカーリンへ移籍してドライバーズランキング3位となった。
2023年はヨーロッパを離れ、日本のスーパーフォーミュラに参戦し、現在ランキング2位につけている。
実は角田裕毅がグランプリの週末にローソンと同じマシンを走らせるのは、このオランダGPが初めてではない。昨年のベルギーGPのフリー走行1回目に一緒にアルファタウリのマシンを走らせている。そのとき、角田は1分48秒310で8番手だったのに対して、若手ドライバー枠としてピエール・ガスリーに代わって出走したローソンは、角田から1.7秒遅れの1分52秒065で19番手だった。
オランダGPの土曜日の予選で、角田に求められるのは新たなチームメートとなったローソンに勝つことではなく、ハンガリーGPとベルギーGPでリカルドから学んだことをこのオランダGPでも実践して、さらに成長した姿を見せることだろう。
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