MotoGP第12戦イギリスGP:クアルタラロが独走で今季5勝目。アプリリアのA.エスパルガロが3位表彰台獲得の快挙
MotoGP第12戦イギリスGPの決勝レースがシルバーストン・サーキットで行われ、MotoGPクラスはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が今季5勝目を飾った。また、3位にはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)が入り、これがアプリリアにとって、2002年にロードレース世界選手権がMotoGPと呼ばれるようになって以来、初の表彰台獲得となった。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は13位フィニッシュだった。
決勝レースでは、ロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)は、スティリアGPでのクラッシュで負った右足くるぶしの骨折から復帰していたが、この怪我の状態と痛みにより予選日から走行を行わず、欠場した。
迎えた決勝レースは、気温17度、路面温度24度のドライコンディションで行われた。MotoGPクラスでホールショットを奪ったのは、ポールポジションスタートのポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)。2番手にはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、3番手にはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)が浮上する。続くコーナーでフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が2番手に浮上したが、アレイシ・エスパルガロが2番手を奪い返した。
その後方では、9コーナーでマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)とホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)がクラッシュを喫する。ふたりはリタイアでレースを終えている。
トップを走るポル・エスパルガロ、そして2番手はアレイシ・エスパルガロ。奇しくも兄弟でのトップ争いが展開される。3番手のバニャイアは、クアルタラロとポジション争いを繰り広げていた。4周目、クアルタラロがバニャイアを交わすことに成功し、3番手に浮上した。
クアルタラロはさらに2番手のアレイシ・エスパルガロをオーバーテイク。2番手に浮上すると、約0.4秒前方を走るポル・エスパルガロを追う。その差は1周のうちに詰まっていき、5周目、クアルタラロがポル・エスパルガロをパス。トップに立った。
クアルタラロのペースに比べ、ポル・エスパルガロは序盤ながらラップタイムを落としており、ポル・エスパルガロはクアルタラロについていくことができず、反対に2番手のアレイシ・エスパルガロとの差が縮まっていく。6周目にはアレイシ・エスパルガロがポル・エスパルガロを交わし、ポル・エスパルガロは3番手に後退。アレイシ・エスパルガロが再び2番手に浮上した。
クアルタラロは序盤から2番手以下を引き離しにかかると、7周目には2番手のアレイシ・エスパルガロに対して差を約1.5秒に広げ、独走態勢を築きつつあった。
3番手に後退したポル・エスパルガロの後方には、10番グリッドスタートのアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)と、11番グリッドスタートのジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)のスズキライダーが迫る。
リンスとミルはジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)やバニャイアを交わしてポジションを上げてきており、8周目にはリンスが4番手、ミルが5番手にまで浮上していた。ポル・エスパルガロはペースが上がらず2分1秒台のタイム。一方、その背に迫るリンスは2分00秒中盤から後半のタイムであり、ラップタイム差は歴然としていた。
9周目、リンスがポル・エスパルガロをオーバーテイク。3番手に浮上する。ポル・エスパルガロは4番手に後退。タイムを再び上げており、その0.7秒ほど後方には5番手にミル。ミルはこのころから、ラップタイムを落とし始めていた。その後方には6番手のミラー、7番手のバニャイアが等間隔で続く。
13周目、リンスがアレイシ・エスパルガロを交わして2番手に浮上。リンスの3秒以上前方にはクアルタラロがトップを独走中で、2番手のリンスの後ろには、約0.3秒差でアレイシ・エスパルガロが続いている。
やや離れて4番手のポル・エスパルガロ、そして5番手にはミラーが浮上しており、ミルは6番手にポジションを落とした。
残り6周を迎え、上位との差を詰めていたのが5番手のミラーだった。ポル・エスパルガロがラインを外してはらんだ隙を突いて、ミラーが4番手に浮上することに成功。ミラーはさらに、3番手のアレイシ・エスパルガロを追う。
3番手のアレイシ・エスパルガロを追う4番手のミラー。ミラーはアレイシ・エスパルガロの背後に迫るも、オーバーテイクには至らないまま、最終ラップに入った。ミラーは最終セクターでアレイシ・エスパルガロにオーバーテイクを仕掛けるも、アレイシ・エスパルガロがポジションを守る。
トップでフィニッシュラインに飛び込んだのは、クアルタラロ。今季5勝目で、チャンピオンシップのリーダーの座をさらに強固なものとした。2位はリンスで、10番グリッドからの表彰台獲得。今季初のポディウムとなった。そして、3位はアレイシ・エスパルガロ。アプリリアにとってはロードレース世界選手権が4ストロークバイクで争われるMotoGPとなった2002年以来、初めての表彰台獲得だった。
4位はミラー、5位はポールポジションスタートのポル・エスパルガロ。ポル・エスパルガロにとってはホンダに移籍して以来、自己ベストリザルトである。6位は12番グリッドから追い上げたブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)が入った。中上は一時、9番手を走行していたが、後半のペースに苦しみ、13位フィニッシュ。バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は18位だった。
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