【ライターコラムfrom鳥栖】トップチームゆずりのハードワークで、 サガン鳥栖U-15がクラブユース選手権を初制覇
サッカーキング2017年8月30日(水)14時0分
初優勝を果たしたサガン鳥栖U-15 [写真]=J.LEAGUE
8月15~24日で行われた日本クラブユースサッカー選手権 U-15 2017でサガン鳥栖U-15が初の優勝を成し遂げた。これは九州のクラブにとっても初めてのこと。
「(選手たちが)普段通りの力を全試合で出してくれました。優勝はまったく意識せずに一戦一戦(しっかり戦う)という感じでした」。田中智宗監督はそう話し、「一人ひとりが違った武器を持っていて、いろんな特徴を出し合い、それが一つのチームになっていると思います」と強さの秘密を語った。
キャプテンのDF末次晃也はキャプテンシーがあり、大会得点王となったFW田中禅は高さと強さに加えて相手の背後に抜け出すこともできる。同じく7ゴールで得点王の佐藤総史は左足のキックとボールを前に運ぶ推進力があり、DF中野伸哉は果敢に攻撃参加するなどなど。個々の特徴が融合し一丸となったことで今回の快挙を果たした。
末次は大会を振り返ってこう話す。
「(5月の)プレミアカップでの負けたからクラブユースで優勝できたと思います。あの後から、『これで(プレミアカップで敗れた)名古屋に勝てるのか?」という意識で練習に取り組みました。もし、そこでタイトルを獲っていたら、クラブユースにもなんとなくといった感じで臨んでいたかもしれません」
田中や佐藤もあの敗戦を経験したことで、チームがレベルアップしたと振り返る。練習で「それで全国で勝てるのか?」とそれぞれが高いレベルのプレーを要求し合うことで確かな技術を一人ひとりが身につけ、それがチームの成長へとつながった。この日の練習でも水分補給のタイミングやメニューの合間に選手同士で話し合う姿が多く見られた。
個々の選手は高いレベルにあるが、そのベースにあるのは鳥栖らしいハードワーク。「トップチームもそうですけど、クラブとしてハードワークすることや球際の厳しさ、攻守の切り替えの速さは絶対にブレずにやっていこうという柱があります」と田中監督。末次も「走れない選手は使わないと監督から言われています」と苦笑いする。攻撃的なサッカーで日本一になった鳥栖U-15だが、得意の攻撃を出すためにトップチームゆずりのハードワークがあった。
今でこそトップチームには立派なクラブハウスがあるが、J1に上がるまではクラブハウスと呼べるものはなく、選手が着替えるだけの2階建プレハブがあったくらい。鳥栖U-15の練習環境は今でも恵まれているとは言えない。周囲には雑草が生え、フルコートを取れない狭い土のグラウンドが彼らの主な練習場だ。「このグラウンドだから身についたこともあります。大会のグラウンドはイレギュラーすることもあったので、ここのお陰というか、グラウンドはどこでも関係ありません」(佐藤)。彼らは意識していないだろうが、ハングリー精神もトップチームゆずりかもしれない。
次の目標となる年末の高円宮杯に向けては、「チャレンジャーとしての意識を持って1からやっていきたい」(田中)、「浮かれることなく、変わらずにやっていきたい」(末次)と語る。また、田中監督は「高円宮杯もありますが、僕たちは5年後に彼らがどうなっているかを見据えて、マネジメントしなければいけないと思っています。ここで最大限成長してもらって、次のカテゴリーにバトンタッチするのが僕らの仕事です」。鳥栖U-15に日本一のおごりなどはなく、しっかりと自分たちを見つめて、さらなる成長の道を歩もうとしている。
文=荒木英喜
「(選手たちが)普段通りの力を全試合で出してくれました。優勝はまったく意識せずに一戦一戦(しっかり戦う)という感じでした」。田中智宗監督はそう話し、「一人ひとりが違った武器を持っていて、いろんな特徴を出し合い、それが一つのチームになっていると思います」と強さの秘密を語った。
キャプテンのDF末次晃也はキャプテンシーがあり、大会得点王となったFW田中禅は高さと強さに加えて相手の背後に抜け出すこともできる。同じく7ゴールで得点王の佐藤総史は左足のキックとボールを前に運ぶ推進力があり、DF中野伸哉は果敢に攻撃参加するなどなど。個々の特徴が融合し一丸となったことで今回の快挙を果たした。
末次は大会を振り返ってこう話す。
「(5月の)プレミアカップでの負けたからクラブユースで優勝できたと思います。あの後から、『これで(プレミアカップで敗れた)名古屋に勝てるのか?」という意識で練習に取り組みました。もし、そこでタイトルを獲っていたら、クラブユースにもなんとなくといった感じで臨んでいたかもしれません」
田中や佐藤もあの敗戦を経験したことで、チームがレベルアップしたと振り返る。練習で「それで全国で勝てるのか?」とそれぞれが高いレベルのプレーを要求し合うことで確かな技術を一人ひとりが身につけ、それがチームの成長へとつながった。この日の練習でも水分補給のタイミングやメニューの合間に選手同士で話し合う姿が多く見られた。
個々の選手は高いレベルにあるが、そのベースにあるのは鳥栖らしいハードワーク。「トップチームもそうですけど、クラブとしてハードワークすることや球際の厳しさ、攻守の切り替えの速さは絶対にブレずにやっていこうという柱があります」と田中監督。末次も「走れない選手は使わないと監督から言われています」と苦笑いする。攻撃的なサッカーで日本一になった鳥栖U-15だが、得意の攻撃を出すためにトップチームゆずりのハードワークがあった。
今でこそトップチームには立派なクラブハウスがあるが、J1に上がるまではクラブハウスと呼べるものはなく、選手が着替えるだけの2階建プレハブがあったくらい。鳥栖U-15の練習環境は今でも恵まれているとは言えない。周囲には雑草が生え、フルコートを取れない狭い土のグラウンドが彼らの主な練習場だ。「このグラウンドだから身についたこともあります。大会のグラウンドはイレギュラーすることもあったので、ここのお陰というか、グラウンドはどこでも関係ありません」(佐藤)。彼らは意識していないだろうが、ハングリー精神もトップチームゆずりかもしれない。
次の目標となる年末の高円宮杯に向けては、「チャレンジャーとしての意識を持って1からやっていきたい」(田中)、「浮かれることなく、変わらずにやっていきたい」(末次)と語る。また、田中監督は「高円宮杯もありますが、僕たちは5年後に彼らがどうなっているかを見据えて、マネジメントしなければいけないと思っています。ここで最大限成長してもらって、次のカテゴリーにバトンタッチするのが僕らの仕事です」。鳥栖U-15に日本一のおごりなどはなく、しっかりと自分たちを見つめて、さらなる成長の道を歩もうとしている。
文=荒木英喜
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