現世代F1マシンの硬さに悩むドライバーたち「身体への影響はかなり深刻」とノリス
現在のF1マシンは、ダウンフォースのほとんどをマシンの下から発生させており、これがドライバーに問題をもたらしている。ダウンフォースは車高が特定の高さにある時のみ最適になるため、その高さを維持するためにサスペンションを非常に硬くしなければならないのだ。
硬いマシンはドライバーの背中や腰に影響を及ぼす可能性がある。フェラーリのカルロス・サインツは、2022年に現世代のF1マシンが登場した当初から、マシンの硬さによってドライバーの健康が損なわれることを懸念し、規則の見直しを求めている。
「レギュレーションは素晴らしいものだ。レースの面において、彼らは必要なことをしてくれている。ただ、僕たちは、首や腰にとって、かなり硬いマシンで走らなければならない」とサインツは昨年語っていた。
「ドライバーはこの問題に立ち向かうために、キャリアにおける健康面の代償をどれだけ払う必要があるのか。僕としては、マシンの哲学の問題よりも、そのことについて、F1とすべての人たちに改めて考えてもらいたい」
最近、マクラーレンのランド・ノリスは、現世代F1マシンにより、背中の痛みに悩まされていると語った。昨年は常に痛みに苦しんできたため、今はそれを避けるために、ストレッチを以前よりもしっかり行わなければならず、趣味のゴルフに行く回数も減らしているという。
「背中の問題についてはかなり悩んでいる。追加でいくつものシートを作らなければならなかったし、背中と腰を鍛えるために多くのトレーニングをしなければならない」とノリスはイタリアGPの週末に語った。
「この1年、多くの問題を抱えてきた。2019年、2020年、2021年にそうだったように、もう少し柔らかいマシンに乗れるなら、僕はノーとは言わないよ」
現役F1ドライバーのなかで最も経験豊富なひとりである、ハースのニコ・ヒュルケンベルグは、次のように語っている。
「今のマシンは間違いなくとても硬い。僕がF1でドライブしたり、目にしたりしたなかでも一番硬いといっていいだろう。ほとんどのドライバーが、これをどうにかしたいと感じていると思う。レース中に乱気流から抜け出したいときにも制限がかかる。マシンが硬いせいで縁石をあまり使えない。ライン上やレーシングライン上でできることが制限され、つまりトリッキーなんだ。僕は痛みを感じていないけれど、もちろん皆体格が違うし、シートポジションも違う」
アルファロメオのバルテリ・ボッタスも同意したうえで、しかし次のように付け加えた。
「結局のところ、誰もが常にパフォーマンスと快適さの間を探っている。それを改善するのはチームではなくレギュレーションだ。遅くなるのならチームはマシンをソフトにはできないからだ」
一方、フェラーリのシャルル・ルクレールにとって、今の硬いマシンは問題ではない。
「僕は全然気にしていないし、影響を受けたことはない。ポーパシングでさえ、それほど気になるものではなかった。なぜかは分からないけれどね。僕にとって問題はないんだ」
レッドブルのセルジオ・ペレスも、問題はないという。
「背中にはなんの問題もない。僕の背中は15歳のころと同じくらいフレッシュだ。だからその点ではラッキーだと思う。確かにマシンは硬さがあるけれど、僕にとっては何も問題はないよ」
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