角田裕毅、F1ドライバーとしてのリスクを語る「時には危険なこともあるが、それが僕の仕事」
1000分の1秒を争うモータースポーツの世界にはリスクがつきまとう。ドライバーにはマシンの性能を限界まで引き出すことが求められ、ほんの少しの判断ミスが大クラッシュに繋がってしまう。私たちの想像を絶する危険な世界を、ドライバーたちはどう捉えているのだろうか。F1第14戦イタリアGPを前に行われたプレゼンテーション・イベントに登場した角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、ドライバーにまつわるリスクについて、自らの考えを明かした。
ミラノで行われたこのイベントは、アルファタウリと同チームの公式HRパートナーを務める人材企業ランスタッドイタリア社による共同開催によるもの。イベントには角田のほかチームメイトのピエール・ガスリーも登壇し、トークセッションを行った。
参戦1年目のルーキーの角田だが、イタリアのガゼッタ・デロ・スポルト紙に掲載されたトークセッションの発言から、彼のF1ドライバーとしてのリスク観がすでにベテランの域に達していることが伺える。
「僕たちドライバーは、リスクに対する認識が違います。少なくとも僕の場合、レースで負うリスクは、マシンを損傷してしまい、セッションに参加できず他の人より不利になったり、マシンが規定通りに動作しなくなることです」
「怪我やクラッシュはリスクではないし、心配もしていません。僕たちは世界のトップ20なので、お互いに信頼し合っています」
「もちろん、時には危険なこともありますが、それが僕の仕事です」
角田にとってコース上でのリスクとは怪我をすることよりも、思い通りのパフォーマンスを発揮できなくなってしまうこと。プロとしてあくまで結果を重視する姿勢は、アルファタウリで2022年もF1継続参戦することが発表された際に「クラッシュが続いていたから残留できて少し驚いた」と語っていたことにも重なる。
しかし同時に、時速300キロメートルを超える環境での危険性を「自分の仕事」だと割り切る彼の発言からは、自らも世界のトップ20ドライバーであるという自負も感じられる。角田が語ったライバルへの信頼こそが、彼のアグレッシブな走りを可能にしているのだろう。
車体規則変更が行われる2022年シーズンについては「もっと楽しくなるだろうし、オーバーテイクも増えてくるから、待ちきれません」と語った角田。今後も安定感を増し、果敢に攻めていく角田の走りに期待したい。
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