「プレッシャーに打ち勝つ」パロウが再びランキングトップに。チャンピオン獲得に向けても不安なし
2021年シーズンのインディカーシリーズは、ラスト3戦が休みなしの3連戦。こうした戦いではまわりが想像する以上に、勢いや流れが重要となる。先手必勝ということだ。
3連戦の初戦、ポートランドは2デイイベントで、予選は1回のプラクティス(75分間)の後に実施。プラクティスと予選のあいだのインターバルも短かった。ここでポールポジションを獲ったのがアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング=CGR)。ここで夏に行ったテストがおおいに効果を発揮したようだ。
インディカーでの初のPP獲得で、第12戦インディアナポリス(ロードコース)でのエンジントラブル、第13戦ゲートウェイ(オーバル)での巻き添えのアクシデント(&ポイントランキング2位にダウン)という悪い流れを断ち切った。同ランク4位のチームメイト、スコット・ディクソンも予選3番手。CGR勢がセッティングでほかをリードしていた。
ポートランド入り時点でポイントリーダーのパト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)は、夏のプライベートテスト(ガナッシ勢も参加)では最速ラップをマークしていた。だが、予選は7番手。チームメイトのフェリックス・ローゼンクビストは同4番手。ふたりのコンビネーションがよりコンペティティブになってきているのは間違いなさそうだ。
ローゼンクビストは6位でチェッカー。だが、オワードは序盤にトップに出るチャンスに恵まれながらも、ジリジリと後退。終盤にはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)にも抜かれ、14位でのゴールとなった。パロウが不運に見舞われたレースでスマートに戦い抜き、勢いを手に入れたかに見えていたのだが……。
これでパロウのリードは25点に。今季の彼の戦いぶりを見る限り、残り2戦でプレッシャーに押し潰され、ミスを重ねてタイトルを獲り逃がすという可能性は低そうだ。パロウはクレバーなところも随所で目立つ。最終スティントにブラックタイヤを選択する判断力、ディクソンより1周早くピットに入り、温まりの遅いブラックタイヤながらポジションを逆転したアウトラップの速さ、レッドタイヤ装着のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)を2度のリスタートで突き放した力強さ、その後にロッシが仕かけてきても動じないメンタル。一段階レベルを上げ、自信を深めたようだ。
今季を迎えたパロウは言っていた。「プレッシャーに打ち勝つ。それこそがレースの真髄」
トップチームに入れば、好成績を求められるのは当たり前。期待されたとおりか、それ以上のパフォーマンスを今季の14戦で見せてきている。残り2戦とも初めてレースするコースだが、「ラグナセカはテストで走ってコースも分かっている。ロングビーチは自分たちが得意とするストリートだから」と不安はまったくなさそうだ。
ポイントランキング3位のジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は、予選までで思うようにマシンを仕上げ切れず、18番グリッドからのスタート。ペンスキーは今季、ポートランドでテストを実施していない。それが2デイイベントで大きなマイナス要因となっていた。
しかし、スタート直後の混乱を切り抜けると、チームの的確な作戦とピットクルーたちの素晴らしい作業でポジションをゲインしていき、終わってみれば5位。2度のタイトル獲得経験を持つドライバーとしての粘り強さ、強運、そしてチーム・ペンスキーの総合力が現れていた。アロウ・マクラーレンSPはコースによるパフォーマンスのムラがまだ消えていない。逆転タイトルの可能性はオワードよりニューガーデンのほうが高いのではないだろうか。
※この記事は本誌『オートスポーツ』No.1560(2021年9月17日発売号)からの転載です。
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