WEC:トヨタ7号車小林可夢偉がPP獲得。4年連続ポールスタートから3連覇を目指す
9月18日、WEC世界耐久選手権の第7戦、第88回ル・マン24時間レースのスターティンググリッドを決定する『ハイパーポール』がフランスのサルト・サーキットで行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050ハイブリッド7号車を駆る小林可夢偉がポールポジションを獲得した。TOYOTA GAZOO Racingは、2017年から4年連続でのポールポジションを獲得しており、今年は3年連続での優勝を目指す。
小林可夢偉がアタックを担当した7号車TS050ハイブリッドは、2番手の1号車レベリオンR13・ギブソンに0.555秒差をつける3分15秒267をマークし、可夢偉は自身3度目となるポールポジションを獲得。マイク・コンウェイ、ホセ-マリア・ロペスと共にル・マン初勝利を狙う。
8号車TS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー組)は中嶋一貴がアタックを担当し、僅差での争いのなか、ポールポジションから1.382秒差の3番手となった。
ポールポジションは、2020年初導入となったハイパーポール方式で競われた。前日17日の予選で各クラス上位6台に入った車両が、30分間のセッションでポールポジション獲得を目指し熾烈なアタックを繰り広げる。
通常の予選よりもコース上を走る車両の台数が少なくなったことで、ドライバーにとってはクリアラップのチャンスが増えることとなった。
現地時間11時30分、昼前のル・マンは好天に恵まれ、気温23度というコンディションのなかで、2台のTS050ハイブリッドが先陣を切ってアタックへと向かう。
可夢偉にとっては、2017年に自身が記録し、未だ破られていない3分14秒791というコースレコードタイムへの挑戦でもあった。計測1周目でマークしたタイムを一旦レベリオンに上回られるも、可夢偉はさらにタイムを更新しトップを奪還。そして、セッション終盤にはタイヤを交換して再アタックへ向かい、自身のコースレコード更新へ向けタイムを縮めていたが、僅かにコースをはみ出したことで、アタックを諦めることに。
それでも、平均時速251.2km/hを記録し、可夢偉にとって2017年と2019年に続く3度目のポールポジション獲得となった。2021年シーズンからル・マンのトップカテゴリーはハイパーカーベースへと替わるため、トヨタTS050ハイブリッドは、現行LMP1車両として最後のル・マン24時間レースをポールポジションからスタートすることとなった。
第88回ル・マン24時間レースは、9月19日(土)の現地時間14時30分(日本時間21時30分)、4クラス全59台によってスタートが切られる。
小林可夢偉(7号車)
「またポールポジションを獲得できて本当に嬉しいです。チームが素晴らしい準備してくれたおかげです。このハイパーポールでは、2度アタックのチャンスがあり、最初のアタックではやや安全にタイムを出しに行きました」
「2度目のアタックでは限界までプッシュし、途中までは非常に良いタイムで、私自身のコースレコードに迫れたのですが、コースを少し外れてアタックを断念しました」
「記録更新のチャンスだっただけにタイム抹消は残念です。練習走行でのレースペースは良かったので、後は24時間レースを戦うだけです。ここまで本当にハードに頑張ってきたので、決勝レースでベストを尽くします」
中嶋一貴(8号車)
「ポールポジションを獲得した7号車に祝福を送ります。可夢偉のタイムは素晴らしかったですし、最後のアタックではさらに速いタイムを出せたかも知れません」
「我々にとっては困難なハイパーポールでした。公式練習3回目からやや苦戦しており、簡単なセッションではありませんでした。TS050 HYBRIDの感触はとても良かったので、ラップタイム向上のために色々試しましたが、最前列獲得には届きませんでした」
「ただ、予選はあくまで予選で、大事なのは24時間後のレース結果だということは分かっています。決勝レースで自分たちの力を最大限に発揮すべく、最善の方法で準備を進めます」
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