オリックス3年連続リーグ制覇!中嶋聡監督が次に狙う「野望」とは
中嶋監督は着々と名将の道を歩んでいる(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
優勝マジック「2」で臨んだ9月20日のロッテ戦(京セラ)にオリックスが6−2と逆転勝利。3年連続15度目(前身の阪急時代含む)のリーグ優勝を果たした。3連覇は94年に5連覇した西武以来となり、パ・リーグでは21世紀初の快挙となった。
【動画】中嶋監督のこの表情!リーグ3連覇を果たした指揮官が5度、宙に舞ったシーン
ビッグイニングのきっかけをつかんだのは、杉本裕太郎の粘りだった。
2点を追う7回、二死無走者からマーウィン・ゴンザレスが死球で出塁すると、杉本は二死二塁でロッテ横山陸人の133キロを中前に運び適時打をマーク。今季初の4試合連続適時打で1点を返すと、尚も二死一、二塁で紅林弘太郎が一、二塁間を破るヒットを放ち、二走の杉本が激走。本塁を陥れ、同点のホームを踏むと、一塁上の紅林の目にはうっすら涙が浮かんだ。
こうなるとオリックス打線の勢いは止まらない。さらに野口智哉の適時打で逆転に成功、この回は5本の適時打を含む6安打と打者一巡の猛攻で一挙6得点を奪い、試合をひっくり返した。
終盤は8回を宇田川優希、9回を山崎颯一郎が締め、ゲームセット。中嶋聡監督はリーグ3連覇目にして初めて、本拠地の有観客試合となるファンの眼前で5度宙に待った。
中継のNHKBS1で放送された優勝監督インタビューでは「何とかここで胴上げしたいと思っていたので、本当に嬉しい」と万感の思いを示した指揮官。
悲願の本拠地Vを目指して、この日のチケットは完売。ただ、6回まで劣勢が続いたことで「7回までは『嘘ついてました』と自分でも思ってましたけど、何とか逆転してくれて選手がすごいなと思いました」と中嶋節で語り、ファンの笑いを誘った。
傑出したチームマネジメント力が今季も光った。主砲、吉田正尚が欠ける中、今季も投手陣では山下舜平大、前日の試合で今季6勝目をマークした東晃平など新戦力を続々登用、野手陣は調子のいい選手を見極め打線を構築、首位打者争いを行う頓宮裕真など選手の潜在能力を最大限に引き出しながら、昨年に引き続き「全員で勝つ」野球を体現した。大きな連敗なく、危なげなくリーグ連覇に導いた。
3連覇は94年、西武以来の快挙となった。当時の西武は5連覇を果たし常勝軍団として知られたが、インタビュアーにその点を聞かれると「本当に強いチームでしたので」と中嶋監督は当時を振り返った上で、「そこにチャレンジできるチームであると思いますので」と5連覇を果たした西武超えを含め、さらなる高みを目指していく姿勢を示した。
次の目標はCS突破、日本シリーズを戦っての日本一連覇となる。
「次のCSしっかり勝って、日本シリーズ行って、まあ、あまりはっきり言いたくないですけど、日本一目指して頑張ります」と最後も、らしく締めた指揮官。黄金時代を迎えたオリックスの快進撃はまだまだ続きそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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