TSRホンダの藤井正和監督「ベストを尽くせる準備をしてきた。だから生き残る事が出来たんだろう」/EWC第4戦ボルドール24時間
2022FIM世界耐久選手権(EWC)が全4戦行われ、全戦完走を果たしたF.C.C. TSR Honda France(TSRホンダ)が2017-2018シーズン以来、2度目となるチャンピオンに輝いた。
TSRホンダは、EWCには2016年からフル参戦を開始し、2017-2018シーズンに初のタイトルを獲得した。今年はタイトル奪還を目指して、ジョシュ・フック、ジノ・レイ、マイク・ディ・メリオを起用していた。
第1戦ル・マン24時間、第2戦スパ24時間では3位を獲得し、第3戦鈴鹿8耐で10位に入り、この時点でランキングは2位。第4戦ボルドール24時間では、鈴鹿8耐の際に怪我をしたレイの代役にアラン・テシェを指名して戦った。
ボルドールは、トップチームが脱落していく荒れたレースとなり、TSRホンダもラジエターやエキゾースト系のトラブルが頻発し、イレギュラーなピットインを含めて思うような展開にはならなかった。
しかし、タイトル奪還を考えながらレースを進めていき、残り1時間30分には確実に走り切るために懸念のある各所を点検し交換したという。そして、4位でチェッカーを受け、2017-2018シーズン以来、2度目となる2022EWCチャンピオンに返り咲いた。
■藤井正和(チームマネージャー)
「今シーズンの目的だったチャンピオンになる事ができた。しかし、失うものも大きく厳しい2022年となった。ボルドールのレースは荒れると予想していた通りになった。我々に出来る事は決まっていてその中でベストを尽くせる準備をしてきたんだ。だから生き残る事が出来たんだろう。早い段階で上位陣がいなくなってから、トラブルでイレギュラーな作業を強いられたこともあり、確実にタイトルを獲得することだけを考えることにした。その結果、逆転でタイトルを獲得できたから非常にうれしい。ライダーはもちろん、メカニックやチームスタッフ、サポートいただいたすべての皆さんに感謝します」
■ジョシュ・フック
「過去の経験からチェッカーを受けるまでは油断はできないと思っていた。僕たちは過去にもさまざまなシチュエーションから復活してきたが、確実なことはどこにもない。皆がそうであるように、諦めずに自分たちのレースをしてきた。3人とも特に夜間走行が速く、いい走りをしたと思う。この大会で優勝するのは難しいと分かり、チャンピオン獲得を最優先とした。他の多くのチームが直面したトラブルを避けるために、可能な限りエンジンを労りながら走行し、最後まで走り切ることができた」
■マイク・ディ・メリオ
「ついに世界耐久ロードレース選手権のチャンピオンになることができた! 過去にもチャンピオンまであと一歩のところにいったこともあったが、長い間求め続けていたタイトルをやっと獲得することができてとても誇りに思う。とてもタフなレースだった。周りが1台、また1台と止まっていく中、僕たちもトラブルに見舞われていた。TATI TEAM BERINGER RACINGが上位で争っている時、トラブルを避けるために追っていたマシンと十分な距離を取ることにした。彼らのタイトル争いが難しくなった後は、ストレートでの早めのシフトアップでエンジンを温存する計画へと変更した。表彰台を獲得するよりもタイトルの獲得が大事だったので、正しい選択をすることができたと思う」
■アラン・テシェ
「メカニカルトラブルに見舞われた時もあり、チームの皆にとって大変なレースになった。チームスタッフはピット作業で時間短縮に勤しみ、僕たちライダーはレース戦略の実行にベストを尽くして走った。ヨシムラSERT Motulがリタイアした後は、僕の元在籍チームであったTATI TEAM BERINGER RACINGとのタイトル争いになった。2018年にタイトルを獲得したチームだったので、複雑な気持ちだった。このタイトル獲得に大きく貢献したジーノ・リアの回復を心から願っているよ」
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